第七章 浅草〜巣鴨
KKさん宅で、KK祖母と差し向かいで朝御飯をいただいた、そんな朝。
今日の予定は浅草。そして「おばあちゃんの原宿」巣鴨です。
KKさんと一緒に家を出て駅に向かう途中、KKさんに「浅草なら揚げまんじゅうがおいしいですよ」と教えていただきましたので楽しみです。
KKさんとは別れて単身浅草に向かいます。
今日は電車の乗り降りが激しいと判断したので一日券を購入し、上野から地下鉄に乗り換え。
途中女子高生などを見かけましたが、いやはやこっちは軒並みスカート短いっすね。なんかそこまで堂々とされるとおにーさん遠い目をしてしまうよ。
何の問題もなく浅草着。
「雷門の前」というあからさまに一箇所しかないところで、今日も珊瑚さんと待ち合わせです。
昨日一昨日は律儀にも珊瑚さんが先に待っていてくださいましたから、一日くらいは待つ側に回りたいと思い今日はちょっと早めに出てきました。
ぼんやりと周辺を観察しながら待ちます。
へえ。雷門って案外小さかったんだなぁー。テレビとかで見てるとめちゃくちゃ大きく感じますけど。
んでもって、その下にうじゃうじゃいるのが修学旅行らしい学生軍団です。
いやはや。初々しいですねー。中学生かな。
なんだ、やっぱスカート普通ですね。うんうん、そのくらいが可愛いよやっぱり。
あはは、そうだよね、東京って言ってもこれが普通なんですよね。あははは。
高校生軍団登場。ぜ、全員スカート短ぇぇ!
なんだこの違いは。中学〜高校の間に何かあるのか。劇的に変化する何かが。脱皮とか。
次に目立つのが人力車。名物なんでしょうか。人力車に乗って浅草一周の旅。
さすがにぼーっとこんなところに立っていると目障り目立つらしく、人力車のお兄さんが話しかけてきました。
おじさん「観光ですか」
オイラ 「あ、はい、そうです」
おじさん「人力車、どうですか?ガイドしながら浅草の町を一周しますよ」
オイラ 「あー。んー今は特にいいっす」
おじさん「そうですか。じゃあまた今度よろしくお願いします。
赤い法被を着た人力車の金ちゃんと覚えておいてください」
覚えておいてください。(勝手に宣伝)
そうこうするうちに珊瑚さん到着。
早速雷門をくぐって仲見世通りへと歩を進めました。
あ、ちょっと待った。
その前に、これを撮っておきたい。
<雷門のちょうちんを下から見た図>
これだ。
これなんですよ、オイラが浅草で求めていたものは。
はー。よし。目的達成。もういいや、浅草。
というわけにはいかないので。
両脇に連なるお店を眺めながら、仲見世通りを闊歩します。
子供用の法被とかが売られていて、それはそれで可愛い。
ずいぶん人通りが多いなぁと思っていたら、「こころ」と書かれたのぼりがあちこちに掲げられているのを見かけました。
そうそう、そういえば今のNHK朝の連ドラの舞台が浅草だったっけ。
お。朝にKKさんがオススメしてくださった揚げまんじゅうはっけーん。
早速購入し、食べてみます。うむ!
浅草バンザイ −★★★★★★★★★
(Reapect for 「みんなきてKOIKOI」) |
それにしても観光地というだけあって、外国人の観光客がよく来るのでしょうね。
いかにも「日本デース!」といったお土産物が多いです。
しかし、ペラペラの生地でどう見ても浴衣な衣装を着たマネキンに「着物」と書いた紙をでかでかと貼りつけてあり、さらに額には闘魂ハチマキが巻かれているというのは、どう考えても間違った日本観を植え付けているようにしか思えません。いいのか、日本。
ふと傘屋さんが目に止まる。
傘屋さんといっても、現代的なワンタッチ式ビニール傘なんてものではございません。
いわゆる和傘というやつ。紙を張って作られた傘にはその名の通り和の情緒が醸し出されています。
オイラはその店先に吊るされてあるサンプルを見てこれは土産物にせねばと直感し、店の主人に交渉いたしました。
オイラ「このお化け傘ください」
唐傘お化けの人形。
しかも傘屋さんで作っているんだからまさしく本物!
作りがしっかりしていて不気味で邪魔だなんて、お土産にぴったりぢゃないですか!
というわけで購入です。 ふっふっふっ。誰にくれてやろう。
人形焼の顔の怖さに戦慄しながら、仲見世通りを通りぬけました。
そこには浅草の本体であるところの浅草寺があります。すみません、つい仲見世通りが本体かと。
ああ。そういえば。
アニメ映画「天地無用!in LOVE」で、30年前にタイムスリップした魎呼たちが修学旅行で浅草に来るというエピソードがあったなぁ。
ふと思い出したオイラ。悪い持病が始まりました。
その名も「アニメ・漫画の名場面になぞらえる病」。
温かい目で見守ってください。
そうそう。
仲見世通りで阿重霞が扇子を買ったりしてました。
で、魎呼が怪しい人物を見かけてそれを追跡。
浅草寺の裏手で見失うんです。
というわけで浅草寺の裏へ。
そうそう、こんなとこでした。うおお。あのシーンが鮮明に記憶に蘇るぜ。
オイラ「?どうしたんですか、珊瑚さん」
珊瑚「いえ。さすがお寺だなぁと思って」
オイラ「へ?」
珊瑚「いや、大したことじゃないんですけど」
オイラ「なんかあったんですか」
珊瑚「ええ、まあ」
オイラ「何が?」
珊瑚「えーっと。足掴まれました」
え。
珊瑚「いや、見えないけど感じるんですよ」
え。え。えええぇぇ!?
浅草寺から横手に道を外れまして、ちょっと奥に行ったところに「はなやしき」という遊園地がございます。行くしか!
というわけで、歩を進めるオイラと珊瑚さん。
あ。
初音小路ですって。
ふーん。初音小路か。初音、ね。初音。
ちなみにそばにあった看板には他にも「セリカ」とかそんな文字が踊っておりました。芹香ねぇ。
そんなリーフヲタな通りを横目に見つつはなやしきへ。
メルヒェーンなつもりでいるけどかなり不気味な装丁の入り口を抜けて突入イン。
わあ、これがはなやしきか!
すっげー!すっげー狭いー!
「サクラ大戦4〜恋せよ乙女〜」には、はなやしきで敵と戦うシーンが出てくるのですが、無理です。絶対無理。
こんなところで戦うなんて、物理的に不可能。
そもそも光武(ロボット)をこんなところに配置したら身動き取れない。建物の庇と花壇のブロックに挟まれて動けない。
箱庭のような土地にぎっしり詰め込まれた遊具。建物。花壇。
ううむ。そうか。はなやしきってこういうところだったんだ。安っぽいな。
と、入り口入ってすぐ左手の建物から賑々しい音が聞こえてきました。
こ、これはゲーセン!しかもDDRが!正確にはDDR2ndMIXが!これはやるしか!むしろ義務!
…(義務遂行中)…
義務を遂行してスッキリしたところで改めてはなやしきを楽しむことに致しましょう。
はなやしきと言えば一番有名なのは!
ジェットコースター。
さて。帰るか。(待てぃ)
そういうのが大好きらしい珊瑚さんに引きずられ、行列に並びます。はあぁ(ため息)。
行列と言いましても、実は周囲全て学生。修学旅行かなんかで来たらしき高校生軍団でひしめいておりました。
そんな団体を見ながらオイラは半分やさぐれモード。
…ったく無駄に元気な奴らめ。五月蝿い。黙りやがれガキ共が。ジェットコースターごときではしゃぎおって。
大体お前らなぁ。こんな寿命を無意味に縮める乗り物に乗るなんて正気の沙汰じゃないぞ。
これが若さという奴か。若いというのは恐ろしいね。勇気と蛮勇を履き違えている。嘆かわしい。
ええいだからはしゃぐなと言うに。五月蝿いからはしゃぐなと
はしゃいでるの先生かよ!女子生徒の隣に座ってデレデレすんな先生!
かくしていよいよオイラたちの順番が巡ってきました。
ワクワクルンルンの表情で嬉々として乗りこむ珊瑚さん。
死刑宣告を受けた囚人のような表情でもっさりと乗りこむオイラ。ああ。生きて帰れますように。
とはいえ所詮はこの狭いはなやしきのジェットコースターです。
そんなに距離もなく、高低差もそれほどじゃない。
「民家の間を通る」と聞いていましたのでどんなものかと思いましたが、なんのことはない民家を模したデザインの壁の間を抜けるだけで、本物の民家を通るわけではありませんでした。なーんだ期待外れ。まぁ当然っちゃ当然ですけど。
期待していたより短くて不満そうな珊瑚さんと共にジェットコースターを降り、続いて乗り物に乗って回るタイプのおばけ屋敷に入ってみました。
まぁやっぱりはなやしきチックというか安っぽい作りなのでお化けは全く怖くなく、むしろ小さい乗り物に二人並んで座る方がよっぽど辛いというか恥ずかしいというか。あーこらそこの子供、こっちをしげしげ眺めるな。
続いて程よいアトラクションを探していると「ビックリハウス」を発見。
な、懐かしいー!
オイラこれ昔大好きだったんですよ。こういうトリック系の乗り物。
ご存知ない方のために僭越ながら解説致しますと、「ビックリハウス」とは見た目一軒の家。
中に入ると横に長い椅子があり、そこに腰掛けます。
部屋の扉が閉じられ密室状態となった部屋。内装はカラフル且つファンタジックな模様が描かれているのです。
そうこうするうち、軽いモーター音を響かせて動き始める椅子。
なんの抑えもないまま我々が座った椅子は前後に揺れる。
その振幅はどんどん大きくなり、ついに回転。ぐるんぐるん回る椅子。うおお。回っています。回っていますよー!
ところがこれ、実は回っているのは椅子ではなく部屋の方で、部屋が動くわけないという先入観によってあたかも自分が椅子ごと回っているように錯覚させられてしまうという物。
視覚と三半規管の差異が生み出す奇妙な感覚が絶妙で、オイラは大好きだったのです。
ああ楽しかった。懐かしかった。
さて、チケットがたった2枚だけ余ってしまいました。
うまく消化できる出し物を探しますと、「見世物小屋」系のアトラクションがちょうど良さそう。
しかし今時見世物小屋て。時代のかほりを感じます。
数種ある見世物小屋の中に「バカ物小屋」というものが。
うむむ。これは何だ。
オイラの鋭くないセブンセンシズが「これは見るべき見なきゃ一生三等兵」と告げています。行くしか。
入り口にこの小屋の解説が書かれてありました。
意訳すると「古今東西の昔話に登場したアイテムの数々を集めました」ということが、いかにも素晴らしい然であるように述べられてあり、その一番最後にはこう記されてありました。
ごめんなさい。 館長 |
大体どういう小屋かお解りいただけたのではないかと思います。
そんな期待を微塵も裏切らず、裸足で踏んだら健康になれそうな「かぐや姫が入っていた竹」や、ブタのマークが刻印された「三匹のブタで三男が作ったレンガの家のレンガ」、どう見ても合成洗剤な「おばあさんが川で洗濯したときの洗剤」などが展示されていました。
イカス。ここだけでもはなやしきに来た甲斐があった気がしました。むしろ真髄。
チケットもなくなったのではなやしきを早々に出て、浅草の町を流し歩きしながら駅まで戻ることにしました。
珊瑚「ええと。駅ってどっちでしょう」
オイラ「あっちです。あそこの角を曲がって行けばいいんじゃないかと」
なんでオイラがガイドしてるんだろう。
とりあえずぶらぶらと歩いていきますと、「豆腐アイス」と書かれた看板を発見。
む。これはまた怪しい商品。
オイラの脳裏に「これは食うべき食わなきゃ一生ゾウリムシ」という神の声が。買うしか。気温もいい感じに暑いし。
豆腐アイスにもいろいろ種類があるそうで、とりあえず「ストレート」と人気らしい「きなこ」を購入。
珊瑚さんと二人、隠居老人のように縁側に座って半分ずつ食べることにしました。
「ストレート」。確かに微かな豆腐の味を感じる気がします。
しかしちょっと微か過ぎるような。微妙な薄味が好きな人ならおいしく頂けるかもしれません。
一方「きなこ」はもう完璧きなこでした。抗いようもなくきなこ。
豆腐アイスがベースになっているはずですが、もう微塵も豆腐は感じられない。ひたすらきなこの味。
なんのかんの言いましたが不味くはありません。
興味を持った人は騙されたと思って食べてみると良いと思います。騙されますから。
そんな感じでぶらぶら浅草の街を練り歩き、駅近くで名高い「金のうんこ」を写真に収めつつ次の目的地へ。
次の目的地に向かうために上野駅まで戻ってまいりました。
上野?おお。上野か。
そういえば上野はずっと観光の行程としてはスルーしていました。
ちょうどいい。ついでに観光していくとしましょう。
まず、あれです。
上野といえば上野動物園。上野動物園といえばパンダ。
オイラの某情報筋によりますと、確か上野駅前のどこかに大きなパンダの像があるはずなのです。
(参考資料・漫画「いいひと」より引用) ←某情報筋
なんとなくその辺を散策してみましたところ「パンダ橋→」なる看板を見つけまして、これは怪しいとピーンと来たオイラは珊瑚さんを引き連れてそちらに行ってみました。
パンダはっけーん。
さてあっさりパンダさんも見つかったところで、そうだ、上野といえば西郷さんですよ。
西郷さん。西郷輝彦じゃありませんよ。「星のフラメンコ」とか歌ってる場合じゃありません。
そう、西郷隆盛でございます。
幕末の偉人、鹿児島県出身で語尾が「ごわす」の人。(清々しいまでの偏見だ)
ちょっと公園内をブラブラ散策しながら歩いてみたら、出た。西郷さん、出た。
いやあ。上野の西郷さんでしたね。
と、このように見てハイ終了な場所だったのでこれまでスルーしていたわけでした。はい次ー。
さあさあ、やってまいりましたお次の目的地。
それは何を隠そう巣鴨でございます。
そう、おばあちゃんの原宿といわれるあの巣鴨!
素晴らしいではないですか。見てみたい。ジジババが群れなしてる光景を。
駅を降りますと、ああなるほど、これは確かに老人の町でございます。
駅の地図の字が大きい。
駅前の店舗で売られている服・靴・鞄、全て老人向け。
カラオケ店は懐メロを売りにしている。
素晴らしい。
老人に特化した街。まさしく老人's Town。The Town, of the 老人, by the 老人, for the 老人。
感動を覚えつつ商店街を突き進むオイラ。そして珊瑚さん。
わぁ。老人がいっぱい。すごいなぁやっぱり。
探せばその辺で二、三匹倒れてるかもしれん。(コラ)
さて巣鴨に参りましたのは実はもうひとつ目的がありました。
というのも、珊瑚さん筋の情報によりますと、ここ巣鴨は甘味の宝庫らしいのです。
うむむ。甘いもの好きとしてはこの情報を逃すわけにはいきません。ああいきませんとも。
む。
いきなり何やら怪しいお店はっけーん!
健康ソフト。
素晴らしい。どうよこれ。
薬草入りのソフトクリームですよ。素晴らしいじゃありませんか。(食欲を微妙にそそらない色合いが)
二人でべろべろソフトクリームを食べながら商店街を進みますと。
出た。出ました。とげ抜き地蔵。
これぞ巣鴨の総本山。巣鴨のメインプレイス。巣鴨の看板娘。娘?
お参りしようかとも思ったのですが、さすが巣鴨の目玉商品(商品?)というだけあってすごい盛況ぶり。
行列をなしたご老人が一体の地蔵様に群がり、水をかけたり撫でまわしたり拝んだりと好き勝手やってました。
あの地蔵の表面に電極でも仕込んで裏に発電機を置いとけば、三世帯くらいの電力は賄えるのではあるまいか。まさしく人力発電。
まぁよい。
オイラのような不信心者は遠くから眺めるだけにして、心底縋りたい愚民どもに譲ってやるとしよう。
ちゅわけでその辺の屋台で団子購入。
ほくほく言いながら食べました。んめー。団子うめー。
さらに商店街を奥へ奥へと歩いていきます。
ある店を見て、一つのことに気がつきました。
そうか、そういえばもうすぐ子供の日なのですよねぇ。端午の節句という奴です。
うむ。そういえば時々こいのぼりを見かけると思った。そうかぁ。こどもの日かぁ。なるほどなぁ。
柏餅購入。んめー。柏餅うめー。
珊瑚さん曰くところの何やら有名らしいパン屋さんであんパンを買って食べ歩きつつ、商店街のかなり奥のところまでやってきました。
さぁどうするか。
時刻は昼過ぎ。まだまだ時間が余っています。
が、巣鴨で当初計画していた見たいもの食べたいものは既に果たしてしまったモヨーン。
珊瑚さんと二人緊急会議で激しく議論を戦わせていましたところ、ふと「史跡マップ」なるものが目に入りました。
お年寄りでもストレスなく見られるよう描かれた簡単な地図ですが、ざっと見たところ興味をそそられるものがちらほら。
概略図ですが、こんな感じでした。
ふむ。
せっかくですから回っていきましょう。
まずは一番近くにある「からくり大時計」とやらをターゲットに設定。
わくわく。楽しみだなぁ。どんな時計なんだろう。すごいんだろうなぁ。
なんせ「からくり」だもんなぁ。きっとすごい仕掛けがあるに違いないよなぁ。
しかも「大時計」ですよ。どんだけ大きいんだろなぁ。興味は尽きません。
地図に従い、からくり大時計を目指して道を南下。
左手に注意しながら歩いていきます。
商店街から外れ、閑散とした静かな街並みを散策しつつ緩い下り坂を下っていくと…
大町駅に着きました。
あ、あれ?時計は?からくり大時計は?
おかしい。そんなもの影も形も見えなかったぞ。納得行かん。行きませんっ。
納得行かないので、大町駅の駅員さんに聞いてみました。
駅員 「ふーむ。聞いたことありませんねぇ」
オイラ「ありませんか」
駅員 「あ、そこの角をこっちに行ったところに」
オイラ「! はい!角を曲がったところに?」
駅員 「交番があるからそこで聞いたらどうでしょう?」
オイラ「……」
ま、まぁ、道を尋ねるなら交番が一番ですよね。うん。
巡査A「うーん。聞いたことないなぁ」
オイラ「…そうですか」
巡査B「あ、そこの道をちょっと行ったらねぇ」
オイラ「! はい!そこの道ですか?」
巡査B「資料館があるから調べてみたら?」
オイラ「えー!」
ま、まぁ、物を調べるなら資料館ですよねってそんなわけあるかー!
なんで東京観光に来て調べ物せにゃならんのだー!ガー!
とりあえず、です。
とりあえず、元の看板のところにまで戻りましょう。
看板から大町駅までかなりの距離がありました。
あれをもう一度歩くのは嫌なので、都電荒川線に乗って看板近くの駅へひとっ飛び。
再度看板をよーく見てみました。
……?
あ。もしかしてこれって…
発見しました。
はははは。今まで歩いてきた商店街の中にあったんだぁ。そうか、気付かなかったよ。
ふうん。思ったより小さいんだね。人間の背丈くらいしかないじゃん。へえ。げし(蹴)。
続いて地図にあった「お岩さんの墓」へ行ってみることにした途中。
あ。さいたまだ。
\ │ / |
でもここ、さいたまじゃないんだけどな。まぁ元々はさいたまと関係ない絵だから良いか。
さて、お岩さんのお墓があるらしいお寺のお前のお道までやってきました。その名も「お岩通り」。
入ってちょっとしたところでふと珊瑚さんが口を開きました。
珊瑚 「あー。さすがですね」
オイラ「はい?」
珊瑚 「いえ、あの辺りから空気が変わりました」
オイラ「え」
珊瑚 「感じました」
オイラ「…大丈夫なんですか?」
珊瑚 「さあ。大丈夫だと思いますけど」
とりあえず目的のお岩さんのお墓とやらを発見。うお。でけえ。
予想外にすごい物に遭遇できました。これだからスケジュールを大雑把にしか立てない旅はやめられない。
とりあえず拝んでおきましょう。ぱんぱん。あ、しまった、それは神社だ。
オイラ「じゃ行きましょうか」
珊瑚 「はい」
オイラ「大丈夫でした?」
珊瑚 「はい、大丈夫です。入るときちょっと足掴まれましたけど」
オイラ「ええええ!?」
珊瑚 「あ、また」
オイラ「ええええええええええ!?」
恐いよ。お岩さんよりも珊瑚さんが。
さらに道を奥に行ったところに「閻魔寺」というイカス名前のお寺があるようなのですが、見つけられませんでした。
もうちょっとじっくり探したらあったかも知れませんが、珊瑚さんを連れてもう一度お岩通りを歩く気にはなれません。
ちょっと遠回りをして道を戻り、あのいい加減な地図を思い出しつつ次なる目的地「遠山金四郎の墓」へ向かいます。
ってまた墓ですか。大丈夫か本当に。
曖昧な記憶と都内地図を頼りにお墓を探したところ、お寺の中にあるの発見。
うむ。ここに遠山の金さんが眠っているのだな。
オイラ「…感じますか?」
珊瑚 「はい」
(´Д`;)
オイラ「ヤバイと思ったら言って下さいね。すぐ出ますから」
珊瑚 「はい」
なんせ、ここは正真正銘のお墓。
遠山の金さんは眠っているかもしれませんが、その他にもいっぱい一般人さんが眠ってらっしゃいます。
そう、物見遊山な気持ちで入るべきところではないのです。観光名所ではないのですから。
遠山金四郎の墓 →
|
…順路案内が付いてるよ…
…… 完全に観光地化してるよ…
さて順路案内に従ってお墓の中を進みますと、一際古そうなお墓がひとつ建っていました。
おお。これが遠山金四郎の墓ですか。ううむ。年季が入ってるなぁ。
遠山の金さん、こんにちは。オイラ、ドラマ観てません。ごめんなさい。
さていつ珊瑚さんからドクターストップならぬゴーストストップがかかるかわからない状態でヒヤヒヤしつつ来た道を戻りますと、途中で順路案内が分岐していることに気付きました。
そしてその先には。
← 本因坊歴代の墓
|
二人「ヒカ碁ー!?」
※注) 本因坊とはタイトル戦の名前にもなっている囲碁の名手の名前。漫画「ヒカルの碁」でも登場。
そんなわけで突発的霊場巡りの旅を終え、巣鴨の商店街にまで戻ってきたオイラと珊瑚さん。
有名らしい「古奈屋」でうどんを食しつつひと息つきました。ああよく歩いた。
さて、その後のスケジュールを相談です。
なんせ今日の目的地は「浅草」「巣鴨」しか決めていなかったので、ぶっちゃけこれでノルマは果たしてしまったわけです。
時刻は4時過ぎ。まだ余裕があります。
あと行きたいところといえば…
店を出て、名物らしい塩大福を買い食いしながら電車へ。
巣鴨の町ともお別れです。
そういえば来た時は老人用の店しかないと思っていましたけど、子供用のおもちゃ屋とかもあるんですね。
ああそうか、孫可愛さに大金をはたいてしまうジジババをカモにしているのか。なるほど。
そして。
秋葉原着!
ほら!やっぱ気になってたわけですよ、こないだ行って閉まってたHIYOKO屋。
確かこの店は「5時から居酒屋になる」と聞いています。うむ。行ける。
電気街をほんのちょっとブラッとして時間を潰し、5時、HIYOKO屋へ。
おっ、開いているようです!
店からちょっと離れたところにいかにも入ろうか入るまいか決めあぐねている三人組がたむろっておりましたがさらりと無視しつつ、いざ開店直後のHIYOKO屋に颯爽と突入です!
メイド喫茶分析シリーズ その4「HIYOKO屋」 [店舗プロフィール] 2001年11月10日、電気街から少々離れた場所にオープンした、喫茶というよりは居酒屋。 この手の店では珍しく個人経営で、お客との距離が近いフレンドリーなサービスが特徴。 具体的には写真撮影可・お弁当配達サービス等。 また、コスプレ喫茶・メイド喫茶としては初めてイベントとして季節もののコスプレ(浴衣・袴・セーラー服・ガンダム等)を行った。 |
店内はちょっと狭め。
雰囲気は「オフィス街の軽食・喫茶店」といったところでしょうか。
壁には写真やサインやイラストなどがかかっていました。
店内BGMは日本のポップス。有線かな。
やはりここも店の雰囲気自体は至って普通のようです。
メニューはざっと見たところ居酒屋メニューと喫茶メニューの混合といった感じ。
居酒屋らしく最初につきだしが出るのですが、それが500円。うーん。ちょっとお高いですね。
店員さんは表立って応対に出ていたのが2人。
奥には男性スタッフが一人いた模様。(もしかして店長?)
メイドさん度という観点で見ますと、今まで何軒か回ってきた中で一番イメージのしっくり来る服かもしれません。
ただどうも借りてきた感が拭えず、生活臭が感じられませんでした。
うーんとつまりですねー。
「メイドさんが働いている」のじゃなく、「働いている人がメイドさんの恰好をしている」という感じ?
この微妙なニュアンス、わかって頂けますでしょうか。
まぁでも、機能性を重視しないだけあって確かに服は可愛かったです。
二人の服装が全然違うので、今回は二人分のイラストを。
写真撮影可なんだから写真撮れば良かったのにとか言わないように。深爪する呪いをかけますよ。
(前)(後)
(前)(後)
さすがにこのジャンルでは有名店であるというだけあって、客は男比率…正確に言うとヲタク比率が多かったです。
ざっと見渡しても女性客なんていやしない…あ、すみません、珊瑚さんがいました。
それでもサービス精神旺盛に愛想を振り撒き、写真撮影のオファにも応じ、出ていくお客さんを玄関口までお見送りする店員さん。
なるほど、人気が出る理由がわかる気がします。
店の構造上観察が難しくスケッチに少々手間取りましたが、なんとか上記の絵を描き終えて店を出ることに。
その前に、ちょっと気になっていた物が。壁に貼られたペナントです。こんなの。
注) 記憶に頼って描いたイメージ図です。
これ最高。一目惚れした。
オイラの第六感に訴えかけてくるものがありましたね。ジュクジュクと(毒電波かよ)。
欲しい。土産用と自分用に二つ買う。なんなら保存用の3つめをつけても良い。
そう思って店員さんに聞いてみたのですが入手元はわからないとのこと。ううむ。探してみるか。
HIYOKO屋から電気街、駅前へと戻り、いろいろ店を回ってみましたが見つからず。
秋葉原デパートを探し終えたところで諦め、次の場所に行くことにしました。
吉祥寺着。
目的地は一昨日素通りしただけのCafe Mai:lish吉祥寺店です。
わあ。これでもうこの近辺のメイド喫茶は網羅したんじゃないかしら。
エレベーターで5階に上がりますと、ありましたありました。
メイド喫茶分析シリーズ その1「Cafe
Mai:lish(吉祥寺店)」 [店舗プロフィール] 2003年2月14日、秋葉原店の人気を受け2号店としてオープン。 秋葉原の倍となる70の客席数を備え、パーティースペースとしてのサービスも行う。 女性向コスプレスタジオに衣装の貸し出し、写真撮影サービスなど、女性をターゲットにした経営方針も特徴。 |
時刻は夜7時半。
ディナータイムは店内を薄暗くし、BGMにクラシックが流してムーディーな雰囲気を演出。
バーのような感じと言えばわかりやすいでしょうか。
内装もバーかお洒落なレストランといった様相。
そんな雰囲気が功を奏したのか、店内のお客は先ほどのHIYOKO屋とは打って変わって女性客・カップルが多かったです。
メニューを見るとレストラン的な食事からケーキ、果てはカクテルまでいろいろなニーズに備えられているように見受けられました。
さしあたりHIYOKO屋で夕食は食べてしまったので、デザートとしてケーキセットを注文。
店内をさらに広い目で見渡して見ますと、ディスプレイコーナーになぜかウェディングドレスが展示されているのが目に入りました。
んー。女性客なら興味沸くのかもしれない。
さらに別の場所には小部屋があり、そこでは店員さんたちのコスプレ写真が展示されていました。
元ネタが解るものから季節感たっぷりのものまでいろいろあって楽しめました。
特にタイトル「死体」には爆笑。恐っ。
店員はざっと見て四人の人間が接客していました。
メイド服の女性スタッフが一人。
ボーイの男性スタッフが一人。
普通のホールスタッフ的恰好をした女性スタッフが一人。
そしてピンクハウス系を着用した女性スタッフが一人。ピンクハウス!?
(前)(後)
ついでにそのハウス系も。
(前)(後)
オイラ「うう。ピンクハウス系はスケッチめんどくさいです」
珊瑚 「はぁ。そういうもんですか」
オイラ「ていうかそこで冷めた目で見られると辛いんですけど」
珊瑚 「いえ、大変そうだなぁと思って」
悪戦苦闘しながらスケッチも終え、ケーキセットを食べて一息ついたところで。
オイラ「さて」
珊瑚 「?」
オイラ「はい誕生日プレゼント☆」
珊瑚さんは5月4日がお誕生日らしいので、これは用意せねば!とばかりに出立前、急遽買ってきたのです。
オイラ「プーさんの目覚まし時計です。
時計にぬいぐるみがマジックテープでくっついているので、
時計がだめになってもぬいぐるみは置いておけますから」
珊瑚 「うわあ」
オイラ「それとー」
珊瑚 「ええ?」
オイラ「KanonとAIRの楽曲のアレンジCDです」
珊瑚さん、一瞬凍る。
こないだのホワイトデーにはゲーム自体をプレゼントしました。全年齢版ですけど。
かのえあ布教計画現在進行形で遂行中です。
珊瑚 「どうしてもこっちなんですか」
オイラ「もうお約束の域に入ってますから」
店を出て駅へ。いよいよお別れです。
というわけで珊瑚さん、3日間お付き合い頂き、本当にありがとうございました。
謹んでお礼申し上げます。
いろいろ貴重な体験もさせていただきましたし。(粉吹いた電池とか狂う機械とか霊とか)