第五章 中野〜ナンジャタウン
4月30日は雨だからいつもレイン。
今日は観光です。
しかも昨日お会いした珊瑚さんがコンパニオン的にオイラの観光にお付き合いくださることになっています。
あいにくの雨となってしまいましたがそこは計画の範疇。
天気予報によると雨は今日降ってオシマイの様子なので、巡ろうと思っていた箇所のうち屋内にあるものを今日の予定に組み込みました。
最初の目的地は中野。正確には中野ブロードウェイ。
以前にも一度来ましたが、その時にここのマニアっぷりに惚れこみもう一度来たいと思っておりました。
昨日の段階で珊瑚さんと打ち合わせ、中野駅で待ち合わせることになっていますので、電車で中野駅へ。
目の前に座っている学生が「うちのカバディ部がさぁ」となかなか興味深い単語を口走っておりますがそんなものに気を取られている場合ではございません。向かうのです。ええ、向かうのです。
途中三鷹駅を通過したりしましたが、関係ありません。ジブリ美術館に未練などありません。ありませんったらッ!(半泣き)
中野駅。
ゴールデンウィーク中の平日だというのになかなか人が多いです。
そんなに人の出入りが激しい街なのかなぁとぼんやり考えながら歩いていたら改札を出ていました。
人の流れの邪魔にならないように周囲を見渡します。えーと。
あれ珊瑚さんかな。改札の中にそれっぽい後ろ姿が。あ、こっち見た。やっぱ珊瑚さんだ。おーい。
珊瑚「おはようございます。待ち合わせは駅構内って言ったじゃないですか!」
オイラ「おはようございます。…そうでしたっけ」
珊瑚「そうですよー」
オイラ「すみません、改札を見たらつい出てしまいました」
珊瑚「さっき電話したけど繋がらないし…」
オイラ「え。電話?…(確認)…着暦残っていませんね…」
ああ。まざまざと思い出されるよ。
昨日、カラオケで内線電話が通じなかった珊瑚さんの帯電体質っぷりを。
商店街を抜けて中野ブロードウェイへ。時刻は午前11時前。
かなり大降りの雨ですが、商店街に入ってしまえばこっちのものです。
観光にお付き合いしてくださるという女性を引き連れていきなりマニアショップ巡りというのもずいぶんアレな気がしますが、まぁ良し!
前に来た時はあんまりゆっくり見られなかったし、今日は朝っぱらから出向いてきたのでじっくり見て回るぜウワッフォー!
軒並み、開店12時から。
あっはっはっはっなんっっじゃっこりゃぁぁー!
しかも水曜が定休日の店も目立ちました。ああああ。なんという計算違い。
喫茶ルノワールにて時間つぶし。
まともな朝食も食べていなかったので、これを機にちょっと腹ごしらえをしておきます。
一方珊瑚さんはちょっと珍しそうという理由で「ヨーグルトメロン」なるものを注文し、不明すぎる味にしきりと首をひねるのでした。
時間つぶしの話題は大半が昨日のオフの話題。
考えてみると、先に帰ったJUNKさんを除くあのメンバーの中で珊瑚さんのみが終始傍観者に徹していました。
これは許されませんな。次の機会には是非珊瑚さんに犠牲…いやいや、参加していただくことにいたしましょう。
時刻は12時を過ぎまして。
いよいよ我らも行動を開始します。
中野ブロードウェイは4F建ての立体商店街。
1Fこそ本屋薬屋服屋食べ物屋と商店街らしき店が軒を連ねていますが、この建物の真価は2F以上にあります。
CD、ポスター、同人誌、グッズ、アニメセル画、ゲームソフト…これでもかというラインナップです。
後で知ったことですが、あのまんだらけの発祥の地だそうで。
道理で、やたらまんだらけが目につくと思いました。館内地図を確認いたしますとそれがよくわかります。
「まんだらけ」「まんだらけLIVE館」「まんだらけDEEP館」「まんだらけDDEP2」「まんだらけNEWスペシャル館」「まんだらけスペシャル2」「まんだらけギャラリー」「まんが
まんだらけ」「まんだらけ本店2」「まんだらけ買取処」「まんだらけマニア館」「まんだらけ変や」「まんだらけ CGショップ MANDARAY」「まんだらけカード館」「まんだらけコスプレ館」「まんだらけセル画館うわああああああ(発狂)
大体なんだ「DEEP館」て!
もう既にまんだらけ自体がDEEPじゃないか!
何を今更DEEPなどと称する必要があるというのだ!男性向同人誌専門店?ああそりゃDEEPだ。
そのうちの一軒で天地無用!系のCDボックスを発見して購入。
レジでひと悶着起こしたりもしましたが、無事入手しました。無理やりリュックに詰めこんだら物が大きすぎたためものすごいことに。
珊瑚さんがガシャポンの「ぼくの小学校」シリーズを探しているということで、構内のコーナーを見て回ります。
が、少々時期が遅すぎたらしくもうなさげな模様。
と、そこで目に入ったのは学研シリーズのガシャポンです。珊瑚さん、顕微鏡狙いでいくらかつぎこみますが結局入手できませんでした。
「霊神占い」
……。
その看板を見て凍り付くオイラと珊瑚さん。怪しい…。
2ちゃんねるグッズ自動販売機を発見。
なんというか。なんでもありだね、もう。
ジブリ系のグッズが売られていました。
結局ジブリ美術館に行けなかったことを思い出し、二人揃って凹。
コスプレ衣装店の前を通りかかって、昨日の話題を蒸し返す珊瑚さん。
蒸し返されたオイラは凹。
中野を後にしたオイラたちは続いて池袋に向かいます。目的地は「ナンジャタウン」。
ナンジャタウンとは、ナムコが経営する屋内テーマパークであります。
雨も微妙に上がる方向へ移行している模様。
池袋の町。
珊瑚さんに道案内を任せて賑やかな繁華街を歩きました。既に駅構内で迷ったことは考えないことにします。
珊瑚「池袋ってマニアな店が多いですよ」
オイラ「へー、そうなんですか。若者の町ーみたいなイメージありましたけど」
珊瑚「ほらそこにアニメイトが」
マジだ。
ということでアニメイトへ寄り道。
ビルがまるまるアニメイトというのはさすが東京だなぁと感じました。あ、ジブリグッズ。凹。
ナンジャタウンのある「サンシャインシティ」ビルへ。
折りしもイベントでガシャポン展をやっていたのでついでにとそこへ寄り道しましたが、やはり「ぼくの小学校」シリーズは見つかりませんでした。
さぁ、そしていよいよ本題のナンジャタウンに突入。
珊瑚さんが50%オフのチケットを持ってきてくださったので、それを使ってパスポートを購入し入場します。
入場して最初にやってきたのは福袋餃子自慢商店g…えぇい長ったらしい「餃子のとこ」でいいや、「餃子のとこ」でした。
昭和初期を再現したような街並みにいろいろなアトラクションや食べ物屋さんが並んでいます。
お昼がまだだったのでちょうど良いやと、一軒の中華料理店に入って昼食を取ります。
珊瑚「ここだったら、いつかさんも目立たなかったんでしょうけどね」
ああ。チャイナ服。
昼食を終えたところで「餃子のとこ」を歩きぬけ、続いてやってきたのは「もののけ番外地」。
全体的に薄暗く、お化け屋敷のような雰囲気がおどろおどろしく演出されています。
「もののけ探険隊」というアトラクションに参加してみることに。
受付があり、そこで待つよう指示する看板があったのでしばらく待ちます。スタッフはどこか行ってるのかな。
スタッフ「はいお待たせしました!」
うわぁああ!びっくりした!びっくりした!
急に受けつけカウンタの中に登場した白装束のスタッフ。どこから沸いて出た!
キーになるアイテム「もののけたま」人形を手渡されてゲートを出発。
この人形を持ってもののけ番外地の中を歩き回ります。
もののけ番外地のあちこちにチェックポイントがあり、そこにこの「もののけたま」を置くと赤外線センサで反応してプログラムが始動。
化け猫や妙な亀などの映像が様々な演出で登場し、三択クイズを出してくるのでそれにボタンで答えます。
その正誤データは「もののけたま」内のメモリに保存されていくわけですがいい加減情緒のない解説は止めますね。はい。
出題される問題はお化け・妖怪に関する問題がほとんどなのですが、時々「このもののけ番外地内にあるのは○○旅館」などというナンジャタウン専用問題が出てくるので侮れません。妖怪問題だけなら結構自信あるのに。水木しげる先生万歳。
オイラ「あ、チェックポイントありましたありました」
珊瑚「じゃ、ここに置くんですね?よいしょ」
オイラ「……」
珊瑚「……」
オイラ「…反応しませんね…」
珊瑚「……はい」
オイラ「置きなおしてみましょうか。よいしょっと」
珊瑚「あ、反応した」
帯電体質恐るべし。
続いて「地獄旅館」へ。
もののけ番外地自体がお化け屋敷な気がしますが、さらにその中にあるお化け屋敷です。いわばメタお化け屋敷です。
般若の顔にカニの足がついた「能面蟹」という不気味なアイテムを手渡され、その灯りを頼りに暗い敷地内を進みました。
ボタンを押すなどこちらからアクションを起こさなければいけないポイントもあり、仕掛けが現代的で面白いところが普通のお化け屋敷とは一線を画しているのではないでしょうか。
オイラ「このなんとか蟹もセンサを反応させるキーになってるんですね」
珊瑚「…じゃあのっぽさんが持っていた方が良いですね…」
オイラ「…そうですね…」
帯電体質恐るべし。
ちなみにこのアトラクションでは入館の前後の心拍数を比較して「心臓ランク」なるものを鑑定してくれる「弱虫鑑定書」というものがあるのですが、オイラの結果は「D
ひよこ並みの心臓」でした。閻魔大王認定のあだ名は「しじみ」でした。しじみて。
もののけ番外地を抜け、3Fに上がります。ナンジャタウンはサンシャインシティの2Fと3Fを陣取る二階建て構造になっているのです。
「イーグルズクラブ」と書かれたブースに入るとそこにはゲーセンが。
そしてDDRが。
うおおおお!
これはDDRのIRver!実質上の初代DDRです!こここここれはやるしか!
きゃああ懐かしい!「STRICTRY BUISINESS」だー!マネージャーがアーチストを撃ち殺して以降DDRに収録されなくなった曲だー!
珊瑚さん置いてけぼりでひとしきり踊った後、さらに移動すると「ナンダーバード秘密情報局」というアトラクションがありました。
ナンジャタウン構内に点在するチェックポイントを渡り歩いてスパイになるための試験と称するゲームに挑戦するという趣旨のアトラクションです。
参加してみようと思いカードを取得しましたが、いきなり入力失敗したらしくオイラのカードが反応せず。伝染ったかな、帯電体質。
仕方なく珊瑚さんの単独参加と相成りました。射撃に挑戦し、機械に「最低だ」と言われる珊瑚さん。
次に来たのは「ナジャヴの大冒険」。
これまたナンジャタウン中を歩き回り、各所隠された指示書やチェックポイントを経由して宝物を探すというアトラクションです。
終わるまで一時間かかるという宣告を受けてスタート。
ここまで来るといい加減お気づきでしょうが、ナンジャタウンにはこのように構内全てを使うアトラクションが多いです。
複数のアトラクションで敷地を共有することができ、通路も階段も全てがアトラクションの一部なので限られた敷地を有効活用することもできる。
これはある意味逆転の発想で、良いアイディアだと思います。
また、こうやって構内をひたすら歩き回るアトラクションが多いということは我々参加者にとってもいい運動になります。健康的ですね。
足が痛み始めました。
うがー。
歩きすぎ。さすがにこれは歩きすぎ。
DDRオフで痛めて翌日の秋葉原で発症した左足がじんじんと痛み始めました。
自然と足を引きずっていたらしく、目ざとく気付いた珊瑚さんに心配をかけてしまいました。
珊瑚「無理しちゃだめですよ」
オイラ「大丈夫大丈夫。以前にも同じようなことになったことありますから」
珊瑚「いやいやそういう問題じゃないし」
オイラ「ほんと大丈夫です。ただ痛いだけですから」
珊瑚「全然大丈夫じゃないですそれ」
両国間の意見交換は平行線を辿り、それでも問題解決に向けて慎重に検討を重ねた結果、「後ひとつだけアトラクションを体験して帰る」という譲歩案を採択することで合意しました。
さてそんなわけで最後に選ばれましたアトラクションは「ナンジャ・サスペンス劇場」。
ストーリーは、参加者が記者となって盗難事件を捜査するというもの。
なるほど、これはなかなかオイラの興味をそそります。真実はいつもひとつ!じっちゃんの名にかけて!
結果、見事事件解決。なかなか楽しめました。
事件の関係者が全てチープな指人形なのにはビビリましたけど。
最後に土産物屋をくるりと見てナンジャタウンを後にしました。
日も落ち、そろそろ晩御飯な時間。
オイラは一人でも行くつもりでしたが珊瑚さんはまだお付き合いくださるということでしたので、一緒に某店に向かいます。
そして電車に揺られてやってきましたのは吉祥寺。
雨は上がっていたもののその余波というかものすごい風が吹き荒れていました。
フォォァァァという音が鳴るのでびっくりして見てみたら、道端に備え付けられた風見鶏のプロペラが限界を遥かに超えた回転運動をしており、いつ火花を吹いて次元振動を起こしてもおかしくないほどの唸り声を上げていました。
そんな吉祥寺の町をちょっとだけ道に迷いながら進みます。
オイラの頭の中にはネットで調べた曖昧な地図しかありませんが、道の形状を頼りに進んでいきました。
えーと、確かこの辺りに「Cafe
Mai:lish」の吉祥寺店があるはず…おお、ありましたありました。
しかし今日はこの店が目的ではございません。もう時刻も8時だし。
いつもいつもメイド喫茶に行くと思うな!
そもそも今日は珊瑚さんを連れているではないですか。そんな。まさか。女性連れで。ねぇ。行くわけが。あはは。
と、ありましたよ目的の店が!
早速入店です!アンナミラーズへ!(もっとありえない店じゃないかという電波が聞こえる気がします)
メイド喫茶分析シリーズ 外伝「Anna
Miller's 吉祥寺店」 [店舗プロフィール] もともとはスタンレー・ミラー氏がアメリカで立ち上げたレストラン。 「ペンシルバニアダッチ」スタイルをショップコンセプトとし、料理とパイをメインにしている。 吉祥寺店は1980年12月にオープン。店内にはパーティールームなどもある。 また、季節によっては通りに面した窓を開放して座席をテラス風にすることも。 |
というわけで今度はメイド喫茶ではありません。アンナミラーズです。
ショップコンセプトにあるように古き良きアメリカ時代がイメージされる店。
ログハウス調の内装がいかにもという雰囲気を纏っていました。
またBGMでひと昔前の洋楽が流れていたのも雰囲気構築に一役買っていたと言えます。
時間が時間だったのでお客は少なく、閑散としていました。
しかし、まぁ店がそもそもそんなマニア向けというわけではありませんので、お客もごく一般の方のようです。
メニューは、上記にもありますが料理とパイが主。
値段が少々張りますが、アメリカンナイズされているだけあって食べ応えがありました。
味も悪くないと思います。
と、無難な解説を済ませたところで最大の注目ポイント行きましょう。
アンナミラーズをアンナミラーズたらしめているの知名度の源、それがこの店の制服です。
(前)(後)
な……なるほど。
胸が強調されるエプロンの肩紐、丈の短いスカート。
確かに人気があるのもわかる気がします。
眩しいよ。オイラには眩しすぎてとてもじゃないが直視できないよ。
というわけでこっそり見ながらメモを取るオイラ。
それを「うわぁ」という表情で眺める珊瑚さん。
珊瑚「…取材ですか?」
オイラ「そう表現すると聞こえは良いですね」
ちなみに店内にはスタッフとしてこの制服の女店員が三人、男の店員が一人見えました。奥にはもう数人いるようです。
そして女店員の制服はデザインのみ上図で統一されていて、色はオレンジ・ピンク・ピンクとなっておりました。
しかしこの服、なかなか侮れません。
スケッチのために細かく観察しているとかなり機能性が高いようです。
動きやすく、無駄がない。帯に伝票留めがついているのはなるほどと思いましたね。
また絵では足元がルーズソックスになっていますが、人によっては普通の靴下を店員キタッ!ガサゴソ(隠)
珊瑚「何も隠さなくても」
オイラ「いや、だって店員の絵を勝手に描いてたら怪しいじゃないですか」
珊瑚「慌てて隠すほうがよっぽど怪しいんじゃないかと」
オイラ「あ。やっぱり?」
そうじゃないかなとは思ってた。