←エピローグ  



おまけ




それからさらに数ヶ月後のことである。



HERO「それにしてもさー」

のっぽ「んー?」

HERO「よくあんな電波文章書けるよな、あの広告の人」

のっぽ「うーん。文才と、後はノリかなぁ、要るとしたら」

HERO「俺らでも書けないかな」

のっぽ「電波広告?」

HERO「うん。面白そうじゃん」

のっぽ「後に虚しさが残るだけだと思うけどなぁ」

HERO「そんなのやってみなきゃわかんないって」

のっぽ「んー。よしわかった。作ってみよう。
    どうせ作るなら徹底的に作ろう」


HERO「へ?」

のっぽ「あの広告のフォーマットに収まるように文章書いて来い。
    オイラが画像に仕立て上げてやる!


HERO「まぢですか!
    オッケー、考えてみるわ」


のっぽ「よーし、折角だからオイラも考える」






敵を倒すためにはまず敵を知ること。



兵法の基礎である。




二人はそれぞれ敵の兵器(電波広告)について研究を重ね、


ついにオリジナルの兵器を作り上げたのだった。





見よ!


これが敵を迎え撃つ、我らの秘密兵器だ!










<HERO作 シスターコンプレックスG2>

シスター・コンプレックスG2


HERO「欲望全開で悪いか!」

のっぽ「びっくりした。何をいきなり開き直ってるか」

HERO「いや、心の声が聞こえた気がして」

のっぽ「わかってるならやるなよ…」

HERO「いや、でも意外と需要があると思うぞ。
    少なくともあの商品の中では一番」


のっぽ「えええー」

HERO「普通の人なら間違いなく買わないような無駄に高い商品だからさ、
    ターゲットを絞らなきゃ。アキバ系のキモヲタとか。
    ヤツらはどんなに高くてもくだらない商品でも自分が気に入れば買うからな。
    たとえ食費を削ってでも」


のっぽ「明らかに敵を増やす発言をすんなよ」

HERO「『どんなにお金があっても買えない理想の妹ができます』とかなんとか
    キャッチコピーつけて、秋葉原や日本橋のゲーマーズとかで
    うまくキャンペーンをすれば長蛇の列ができると見たね」


のっぽ「…本気で商売するつもりで計算してたのか。
    欲望のままに考えたら結果オーライ的に理由が出来ただけだったりして」


HERO「俺だったら、咲耶が欲しいな!」

のっぽ「マジで後者だった!」

HERO「しかもロリ爆乳!
    アンダーバスト65cmのHカップくらい!
    ウエストは57cmでキュッとくびれてる!!」


のっぽ「うわ、語り出しましたよ」

HERO「トップで言えば、92.5cmですよ!?」

のっぽ「知らんがな」

HERO「それで『お兄様〜ぁ(はぁと)』とか言いながら背中から抱きつかれた時には!
    もう!! 背中には柔らかくて大きな膨らみが!!
    そのまま押し倒しますよ? もう死んでもいいですよ?」


のっぽ「許すから死んでこい。社会的に」

HERO「やけに冷めているねぇ。のっぽ君」

のっぽ「冷めてるっていうか、引いてる」

HERO「んなこと言う人嫌いです。あ、とかもいいなぁ。
    CLANNADの風子みたいなキャラも捨てがたい…」


のっぽ「はいはい。じゃ次ー」

HERO「待て。お前も欲しいくせに。」

のっぽ「いらん」

HERO「小っちゃい子供、欲しいだろ。
    日記では『子供好き』って言うじゃない…。
    でもアンタ、ロリコンですから!! 残念!!


のっぽ「ギター侍の真似してまで人を罵倒するな」

HERO「ロリコン」

のっぽ「…貴様はあれだけ説いてやったのに、
    未だロリコンと子供好きの区別がついていないようだな」


HERO「でも欲しいだろ。小っちゃくてかわいい子供。欲しいだろ…」

のっぽ「はぁ。お前、ほんとにわかってないのな」

HERO「は?」

のっぽ「自分の子供というならともかく、単なる『子供好き』というのは
    特定の子供を自分の所有物にしたい、みたいな
    独占欲的な感情ではないんだよ」


HERO「うわ、逆に語りだした」

のっぽ「電車の中で隣の席に座った子供、
    親戚が集まる場に連れてこられた子供、
    そういう普遍的にそこらにいる子供全てを可愛く思え、
    その子が喜んでくれるんだったらいくらでも相手する。
    もしその子が不快になるのなら、自分はいくら相手したくてもあえて身を引く。
    そういう見返りを求めない大きな愛情が必要なんだよ!」


HERO「わかった。わかったから、その辺で止めとけ。
    じゃあこの商品、やっぱダメ?」


のっぽ「ん、妹なら確かに欲しい。オイラ一人っ子だし」

HERO「………」

のっぽ「………」

HERO「やっぱり、この商品、ヒットします!!
    たとえ妹12人という 無茶な欲望でも満足させます!!
    間違いない!!


のっぽ「長井秀和の真似と言い張るには微妙だぞ! 気をつけろ!!」

まとめ
◎確かに突然12人の妹が出来るとか超常現象だよな

のっぽ 何よりこんなの考えたHEROの頭が心配だ
HERO 自分でもそう思います







のっぽ「んじゃ、次オイラの方ねー」

HERO「おう。どんな欲望全開か見せてもらおう」

のっぽ「残念ながらそういう方向性じゃないよ」





<のっぽ ゴン太郎作 アンゼン・マッチG2>

アンゼン・マッチG2


HERO「ただのマッチやん!」

のっぽ「そういうツッコミを待ってました」

HERO「『激しく擦って燃え上がる』ってのも、マッチなんだから当たり前だ」

のっぽ「そこです、これのポイントは。
    当たり前のことをいかにそれっぽく表現出来るか
    というのを追求してみました」


HERO「効用の『検便提出』って、これ
    マッチ棒じゃなくて箱の方を使うってこと?」


のっぽ「ピンポーン」

HERO「いつの時代だよ」

のっぽ「なんせ歴史古いから。マッチは」

HERO「『19世紀、イギリスの薬剤師J・ウォーカーによって開発されたこの秘法は
     世界中に広まり、闇の世界でどんどん改良が加えられて、
     現在ではアンゼン・マッチとして知られるようになりました。』」


のっぽ「ちなみに『闇の世界で』っていうのは、夜のことね。
    灯り点すためにマッチ使うでしょ」


HERO「そういう意味か!
    わざわざ怪しく表現してるわけね…秘法とか言ってるし」


のっぽ「うん。他にも例の広告に使われてたテクニックを
    ふんだんに盛りこんでるよ」


HERO「あ、『霊的に』も使われてる」

のっぽ「『このアンゼン・マッチG2を様々な陣形に並べることによって、
     霊的に思考能力をアップさせることができます。』」


HERO「ちなみにそれ、マッチ棒クイズのこと?」

のっぽ「うん」

HERO「『さらにアンゼン・マッチG2の先端を折れば、
     歯の間に挟まった悪霊を退治することも可能です。』
    …歯の間に挟まった悪霊?」


のっぽ「いいんだよ。歯に挟まった物なら何でも」

HERO「要はつまようじ代わりってことね…」

のっぽ「便利だ」

HERO「『アンゼン・マッチG2を売っていた少女が自分で使用してみたところ
     不思議な幻覚を見た』
    っていうのはマッチ売りの少女のことか」


のっぽ「そうそう」

HERO「童話やん」

のっぽ「すごいよね」

HERO「『使い方次第では人を焼き殺すことすらできてしまいます。』」

のっぽ「そうそう。ロープで縛り上げて、灯油をばら撒いて
    そこにアンゼン・マッチG2で火をつけるの」


HERO「前準備が長いわっ!」

のっぽ「だから『使い方次第では』って書いてあるじゃんか!」

HERO「大体そんなことしたらすぐ警察に捕まるだろ」

のっぽ「そこまで責任持たん!」

HERO「ひどっ!」

のっぽ「言葉が足りないのは嘘とは言えません

HERO「う。そうきたか」

のっぽ「そして、これだけのことができるマッチがたったの58000円!
    キャー! なんてお買い得ー!」


HERO「レストランとかでタダで貰えるのにな」

まとめ
◎マッチってすごいね

のっぽ 案外それっぽく見えるもんだ
HERO ボッタクリにも程があるぞ








以上が今回のプロジェクトの全てである。



賢明なる読者諸氏は、


今回のレポートを参考にして


敵の罠に引っかかることのないよう十分注意していただきたく思う。




こうしている間にも、敵の魔の手は刻々と我々に近づいている。


危機に瀕した世界を救うため、彼らは今日もまた戦い続ける。




しかし、本当に世界を守るのは、彼らではない。



この世界に住む全ての人々が



それぞれの意思を持って守らねばならないのだ。






そう。



人類の未来は、あなたたちの手の中にある。








電波広告にツッコミを入れる 〜シークレット・サービス




▼ショートカット▼


プロローグ

Mission.01  「はじまり」「広告登場」

Mission.02  「怪僧ラスプーチンの妖石」「ゲッター」「スナイパー」「エンペラー」

Mission.03  「ハッカー」「ハンター」「マネーバトラー」「チャクラ・オープナー」

Mission.04  「バンク・コントローラー」「人魚の涙」「龍神の涙」「獣神の涙」

Mission.05  「人工精霊」「フラクタル・オブジェクト」「実録〜呪いの思い出」「受賞」

Mission.06  「購入者の声」「他留意点」「比較」「実際に電話かけてみた」

エピローグ〜そして

おまけ


←エピローグ