はじまり
のっぽ「すまん。遅れた」
HERO「いや、いいけどさ、別に」
店員「こちらがメニューになります。
お決まりになられましたら、こちらのボタンを押してお呼び下さい」
のっぽ「はーい」
HERO「はーい」
のっぽ「ところで今日なんで遅れたと思う」
HERO「デジカメ買うって言ってたよな」
のっぽ「ふふふ。実はそれだけではないのだ。じゃーん」
HERO「なにそれ?」
のっぽ「携帯MDプレイヤ。録音機能付き」
HERO「へえ。早速録ってみよ録ってみよ」
のっぽ「もちろん!そのために買ったんだから!」
HERO「わざわざ!?」
のっぽ「25000円した!」
HERO「そ、そう」
のっぽ「ちょっと待ってね。説明書読むから」
HERO「…そこからかよ」
のっぽ「さっき買ったばっかりなんだもん」
HERO「とりあえずメニュー頼もう。ボタン押すよー」
のっぽ「ほーい」
HERO「さっき紀伊国屋に寄ってさ、比較用にパチンコ雑誌一冊買ってきた」
のっぽ「うむ。ご苦労」
HERO「これの広告読むとさぁ、やっぱり今回扱うコレはヤバイなと思うよ」
のっぽ「うん。オイラも見ててヤバイと思ったよ」
HERO「んでどうする?どういう方向で進めてく?」
のっぽ「うん、それなんだけどさ。
その広告、量も多いしフォーマットも複雑だから
項目ごとに分けて考察しようと思うの」
HERO「ああ、それがいいな。
前のまずジューの時みたいに、ひとつずつ採点しようよ。
一人ずつコメントもつけて」
のっぽ「そだね。でさ、ざっとこれ読んで思ったんだけど」
HERO「うん」
のっぽ「広告の性質上、ものすごく冗長的に書いてあって
内容がわかりにくいじゃない」
HERO「ああ、それは言えるな」
のっぽ「だからさ、項目ごとにまとめを一言で表そうと思うの」
HERO「なるほど。いいんじゃない?」
のっぽ「おっけー。じゃあその方向で」
HERO「とりあえず先に昼飯食べてからにしよう。
って店員来ないなぁ」
のっぽ「ボタンを押したのにね。通じてないのかな」
HERO「くそ。連打連打連打」
のっぽ「HERO、嫌われてんじゃないの、店員に」
HERO「なんでやねん」
のっぽ「だめだねぇ。ちょっと替わって。オイラが押してみる」
HERO「そしたら一発で来たりしてな」
のっぽ「あはは。そしたらHERO嫌われてること確定だねー」
店員「ご注文お決まりになられましたでしょうか?」
のっぽ「…………」
HERO「…………」
広告登場
HERO「今回のこれさー」
のっぽ「ん?」
HERO「載ってたのがエロ本だから、
さすがに本自体はここには持ってこなかったけど」
のっぽ「まぁファミレスでエロ本広げるのはかなり嫌だな」
HERO「とりあえず広告自体はこんな感じね」
拡大サイズ(583KB) |
拡大サイズ(599KB) |
HERO「で、それ、確か今年(2003年)の8月半ばに買った雑誌なワケよ」
のっぽ「8月の半ば頃、ね。うん」
HERO「な。で、いきなり気になるのはこの『犯行予告!?』ってやつ」
のっぽ「2002年12月25日」
HERO「2002年12月25日」
のっぽ「過ぎとるっちゅーねん、って話ですな」
HERO「そうそう。んでこれ遡って調べてみたら、毎月同じヤツが載ってるの」
のっぽ「あははは」
HERO「これ月に一度発行するんだぞ。それで毎月」
のっぽ「もう既に過ぎてるものを毎月ですか。
既に『犯行予告』じゃないよね」
HERO「全くだ。んじゃその中身を細かく行こうか」
のっぽ「おう」
HERO「『2002年12月25日、二大悪魔教団OKOと、ブェールゼブ…』
…読みにくいなぁもう」
のっぽ「すんなりと読める名前ではないな」
HERO「とりあえず、なんか地獄の女王を召還しようっていうイベントなんだな」
のっぽ「うん。そだね」
HERO「『宝くじで一等を当選した人が運の悪い人に思えるほど!
空前のド超運があなた様を急速開運いたします!!』」
のっぽ「ん」
HERO「ド超運てなんやねん」
のっぽ「んー、きっとド級ですごい運なんだよ」
HERO「宝くじで一等を当選した人が運の悪い人に思える運」
のっぽ「オイラは宝くじで一等を当てるだけの運でいいです」
HERO「あーじゅうぶんだね」
のっぽ「うん、じゅうぶん」
HERO「できたらそれを一生に小分けしてもらえればさらに最高」
のっぽ「それは素晴らしい」
HERO「んで、これ去年の12月25日に召還するんだろ?」
のっぽ「うん。そう書いてるね」
HERO「で、その前にこの商品を買って持っておいたら、
遠隔操作か知らんが、12月25日に妖力が充電されるんだよね? 」
のっぽ「うん。みたいだね」
HERO「でもこの一番下、
『締切以降にお申し込みの場合は、入魂済の水晶玉をお届けします。
なお、効果は締切前のものと変わりはありません』って」
のっぽ「おう。書いてるな」
HERO「締め切りの意味ないじゃん」
のっぽ「だね。とりあえず締め切りって書いとけば
焦って買うやつがいるんじゃないの?」
HERO「見え見えの罠だな…」
のっぽ「うむ。でですね。
オイラはこの2002年12月25日という日について調べてみました」
HERO「ほう」
のっぽ「この日に何があったのか。ネットで検索かけてみたんですが」
HERO「ふむ」
のっぽ「新聞社の記事を見ても、
どこどこで強盗があった程度の事件しか見当たりませんでした」
HERO「はい」
のっぽ「これは収穫ないかなぁと諦めかけていたその時、ふと思い立って
とあるところを調べてみたら物凄いことが判明いたしました」
HERO「ほう、何ですか」
のっぽ「2002年12月25日というのは」
HERO「俺の誕生日!」
のっぽ「まぁ確かにそれもそうなんだけど」
HERO「はい」
のっぽ「DDR EXTREMEの出荷日です!」
HERO「あははは!大悪魔リリスってこれだったのか!」
のっぽ「コナミめー」
HERO「そうだったのか…」
のっぽ「うむ。そうだと、オイラはキバヤシ的に推測するね」
HERO「じゃあこれ、コナミが噛んでるんだ」
のっぽ「うん。噛んでると見た」
HERO「そうだったのか」
のっぽ「要チェックポイント。コナミ絡んでます」
HERO「そこまでよく調べましたね」
のっぽ「これは重要な証拠だと思うね」
HERO「なるほど。偶然の一致にしては出来すぎてるね」
のっぽ「な、なんだってー!だよね」
HERO「あはは」
のっぽ「あはは」
HERO「…アホやろお前」
のっぽ「わはは」
HERO「悪魔の癖に繁栄と愛を象徴してるんだね」
のっぽ「すごい悪魔だね」
HERO「神様ならわかるけど。悪魔でだよ?」
のっぽ「うん。悪魔で。あくまで悪魔で」
HERO「わけわからんわ」
のっぽ「わはは」
HERO「まぁこれは発想の問題だと思うけどね」
のっぽ「ほう」
HERO「例えば、2つ宗教があるとするじゃん。
で、片方の宗教にとっての神様がもう一つの宗教にとっては
悪魔だったりするわけよ」
のっぽ「なるほど。わかりやすいね」
HERO「それかもね。別の宗教にとってはすごい神様なのかも」
のっぽ「ということは、異宗教の神様の力を借りようとしてるのか」
HERO「…あー」
のっぽ「それはいいのか。教団的に」
HERO「んー、まぁクリスマスも初詣も
宗教関係なくやるような日本だからいいんじゃね?
キリスト教一辺倒な国とかだとまずいだろうけど」
のっぽ「つかキリスト教以前の問題だけどな、こんなの」
HERO「3つのコースに分かれてるんだね。
スーパー、スペシャル、ウルトラ」
のっぽ「スーパーが一番低いんだ」
HERO「水晶の大きさが5mmずつ増えてる」
のっぽ「なるほど」
HERO「一番凄いので18万円」
のっぽ「うん」
HERO「『超運のあまり、毎年失心者が続出する』って書いてあるけど
『失心』の字間違ってない? 『失神』じゃないの?」
のっぽ「いや、それは合ってる。オイラも調べた」
HERO「合ってるのか」
のっぽ「うん。『失心』は気を失うことだから(参考・三省堂国語辞書)」
HERO「あーなるほど。なんか結果オーライな気もするけど」
のっぽ「その可能性もある」
HERO「『問答無用に押し寄せる超運の嵐の御利益レベルは、
実に小型の門松を玄関に飾った場合の約…』 …えーと」
のっぽ「それ、100億倍です」
HERO「そうなの?」
のっぽ「昨日の夜数えました」
HERO「数えたんだ。門松だって」
のっぽ「その門松についても調べました」
HERO「調べたんか!
で、どのような御利益があるんでしょーか」
のっぽ「えーと、門松の由来」
門松は、今では正月の飾りもののように思われていますが、もとはといえば歳神(としがみ)の依代(よりしろ)といわれ、歳神が宿る安息所であり、また、神霊が下界に降りてくるときの目標物と考えられていました。 この歳神とは、別名を「お正月さま」、「若年さま」、「歳徳神」などとも呼ばれ、正月に家々に迎えられる神をいい、昔は白髪の福相の老人だと考えられ、今でも、若者が白髪の老人に扮して、大晦日の夜、家々をまわって子供達を訪れ、お年玉として餅を与える風習の残っている地方もあるということです。 歳神は、年棚(としだな)とか恵方棚(えほうだな)を新しく作って祭るのが普通です。神前には、神酒や鏡餅、白米、かち栗、干柿、昆布、するめ、海老などを供え、歳神に対する感謝の気持ちをあらわします。 |
のっぽ「御利益関係なしです」
HERO「じゃあこれ100億倍してもダメじゃん」
のっぽ「歳神さんに感謝の気持ちを表すのに関しては
多少御利益関係あるのかもしれないけど、
門松自体はただの安息所らしいからね」
HERO「小型の門松を玄関に飾った『場合の』とは書いてあるけど」
のっぽ「まぁそれにしたって門松はあくまで感謝の気持ちを表すものであって
御利益を期待するもんじゃないな」
HERO「はァー」
のっぽ「調査の結果そうなりました」
HERO「ウルトラでそれだったら、下の二つはさらに劣るわけだよね」
のっぽ「そうだね」
HERO「すげー」
のっぽ「それにしてもこの残り二つ、書いてある事が一応
ちょっとずつランク下がっていってるのは笑った」
HERO「だねぇ。一番上は門松の100億倍。
しかも漢数字で書けば簡単に読めるはずなのにわざわざ長く書いて」
のっぽ「途中にカンマ打てよな」
HERO「ずらっと並んでた方が、見た人間がすごいと思うからかな」
のっぽ「だね。googleで検索した時に一番下に出る
gooooooooooooooooooogle
みたいなもんだな」
HERO「あとこの真ん中のコースの中に書いてある
『気がついたら御利益まみれ』ってさー」
のっぽ「まみれ」
HERO「普通『まみれ』って言ったら悪いことだよな」
のっぽ「うん」
HERO「果たしてこの響きでありがたいと思うか」
のっぽ「思わない」
HERO「普通は『借金まみれ』とかそういう使い方だよな」
のっぽ「めっちゃ御利益がうっとおしそうだよね」
HERO「そうそう」
のっぽ「いや、もうここまできたら多分ギャグのつもりなんだよ☆
わかって書いてるんだよきっと!」
HERO「わかって…かなぁ」
のっぽ「うん!これはこれでインパクトがあって面白いんじゃないかなー
っていう向こうの粋な計らいなんだよ!」
HERO「コイツの国語能力がないだけなんじゃ…」
のっぽ「いや、でもこれざっと全部読んだけど、意外に誤字とかないぞ。
さっきの『失心』も合ってるものとして」
HERO「ほー」
のっぽ「そう考えると、国語能力はある人だと思う」
HERO「じゃあ、ニャントロ人のアレよりは100倍マシだな」
のっぽ「だな」
※解説) ニャントロ人のアレ…
のっぽ・HEROが高校生時分、
学校の近くで怪しい人たちが配っていたチラシ。
内容は「地球はニャントロ人に支配されている」という
著しく電波レベルの高いもの。
のっぽ「オイラ、ここもちょっと気になったんだけど」
HERO「つかここ、意味がさっぱりわからないじゃん」
のっぽ「んーそうだねぇ。『霊的進化時代』とか怪しいと思ったけど…
まぁ文章的にはそんなに問題ないか」
HERO「まぁ確かに『霊的進化時代』ってなんやねんとは思うね」
のっぽ「だねぇ。わけわからん…ていうか
わけわからんようにしてるというのはわかるんだけど」
HERO「うん」
のっぽ「写真も意味不明だね」
HERO「本当だな……今気付いたけど、この正義の味方ってなんだ」
のっぽ「え?どれ?」
HERO「これ」
のっぽ「あー。悪魔の力借りてるのに正義なんだ」
HERO「矛盾してるな」
のっぽ「まぁホラ、正義なんてその人の主観だから」
HERO「まぁね」
のっぽ「ブ○シュさんもフセイ○さんも自分が正義と思ってるんだから」
※注)まだこの頃は二国間バトル中でした。
HERO「こっちから見たら全然正義じゃないけどな」
のっぽ「そういうもんでしょ」
HERO「まぁそれは置いといて」
のっぽ「はい、置いときましたー」
まとめ ◎HEROは店員に嫌われている ◎コナミが絡んでいる ◎門松に御利益はない |
のっぽ | 最初から飛ばしてます | |
HERO | 最後までテンション持つか? |