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ハッカー



PハッカーG2


HERO「『機械神ギーガ・ギス弐号
     娯楽の殿堂に向かって激進開始!』」


のっぽ「そういえばここにあるのって全部『G2』とか、二号ばっかりだな」

HERO「それにしたって、神様の名前に『弐号』ってついてるのはこれだけだぞ。
    他は物だからバージョン2かも知れないけど」


のっぽ「あー」

HERO「やっぱ壱号がいるんだろうな」

のっぽ「うん。機械神って言ってるから機械なんだよ」

HERO「機械仕掛け?」

のっぽ「うん」

HERO「…うさんくさそうな神様だな」

のっぽ「でもそれって、機械が凄いんじゃなくて
    作った人が凄いんじゃないのか」


HERO「…それもそうだな。その人を奉れば良いのに」

のっぽ「そしたら壱号とか弐号とか分ける必要もないし」

HERO「壱号はやっぱり失敗作だったのかな」

のっぽ「きっとそうだ」

HERO「だけどこれ、効果が随分限定されてるな」

のっぽ「うん?」

HERO「『パチンコ/パチスロ運強化』」

のっぽ「ぶはっ。待ってくれ!」

HERO「どうした」

のっぽ「えっ、それは、何、機械だから?」

HERO「だと思うけど」

のっぽ「機械だから機械神に頼るの?」

HERO「うん」

のっぽ「えぇぇー」

HERO「『勝率向上・攻略法の獲得』」

のっぽ「機械関係ないじゃん!」

HERO「『インスピレーション増幅』」

のっぽ「もう完全に離れたじゃん!」

HERO「んで『釘読解・優良台獲得 他』なんだが、
    俺はパチンコやるからわかるんだけど、こんなの神に頼らなくったってできるぞ。
    ちょっと勉強して自分の目さえ養えば」


のっぽ「あー。知識だもんね」

HERO「運とかならともかく、
    釘の読解はいわば間違い探しみたいなもので
    やろうと思えば誰でもできるわけよ」


のっぽ「なるほど」

HERO「優良台っていうのだって、換金率が高い割に釘が甘いとか
    そういう店の癖を見分けりゃいいだけの話だし」


のっぽ「はー」

HERO「確かに手間暇はかかるから、
    趣味でやってるだけのサラリーマンには難しいかもしれないけど
    本職の人なら簡単」


のっぽ「へー」

HERO「釘を読むだけなら俺でも出来るし。
    難しいのは釘が甘い台を見つけること。そんな台は少ないからね。」


のっぽ「はぁ」

HERO「だからわざわざ神様になんか頼りたくもない」

のっぽ「まぁまぁ、そんなもんだろ。
    ていうか、そもそも頼る神様間違えてるんだってば」


HERO「…そうだな。わざわざパチンコとパチスロに限定しなくても良いのに」

のっぽ「オイラはもっとコンピューティングな内容かと思ったけど、パチンコかぁ」

HERO「大体パチンコで勝ってもせいぜい数十万だろ。
     宝くじ当てたら一気に二億だぞ」


のっぽ「あー」

HERO「そっちの方が効率良いじゃん」

のっぽ「だからほら、これちょっと安い」

HERO「あ、ほんとだ。\38,000…
    だったら、さっきの
    『宝クジで1等を当選した人が運の悪い人に思える』
    っていうやつの方が良くない?」


のっぽ「そっちはいくらだっけ?」

HERO「一番高くて18万」

ウルトラ大開運コース 180000円

のっぽ「あー」

HERO「それともあれか、機械神の方を買って18万稼いでから
    この18万のやつを買えと」


のっぽ「なるほど。そいつ絶対一生金溜まらんな

HERO「これを買う時点でな」

のっぽ「うん」

HERO「『PハッカーG2』」

のっぽ「パチンコごときでハッカーかよ」

HERO「この『P』ってパチンコのPか」

のっぽ「多分」

HERO「『パチンコやパチスロなどのメカニカルギャンブルで』」

のっぽ「…メカニカルなのあれ?」

HERO「確かに機械だし。
    まぁわざわざ横文字で言うほどの物じゃないけど」


のっぽ「その方がかっこいいと思ってるんだろうか」

HERO「『強力な威力を発揮する機械神ギーガ・ギス弐号の
     パワーがチャージされたPハッカーG2。
     確率論という理屈を越えた次元から作用する
     ギーガ・ギス・テクノロジーは、そのあまりにもスゴイ効果ゆえに、
     業界の一部で「悪魔」と恐れられています。』」


のっぽ「ほほー」

HERO「『当社でもPハッカーG2を一般販売するのは、
     パチンコ屋を倒産させるようなものとの内部からの批判がありましたが、
     あえて販売を断行する事にしました。
     確かに、パチンコ業界が大ピンチに陥りパニックになるかも知れません。
     しかし勝負に負けて悔しい思いをされているお客様を見捨てる事はついにできず、
     涙を飲んで特別に一般公開を決定したのです。
     すでに業界関係者から続々と脅迫状が届いています。我々も命懸けです。
     もし、殺人事件でも発生しようものなら、
     販売中止と言う事態も考えられますので、なるべく早くお求めください。』」


のっぽ「なるほど」

HERO「パチンコ屋から脅迫状が届いているらしいですね」

のっぽ「ふーん」

HERO「ていうかパチンコ屋って"コレ"多いじゃん」

のっぽ「いや、文字で"コレ"言われてもわからんし」

HERO「893とか」

のっぽ「ああ、893ね」

HERO「まぁひと昔前の話かもしれないけど。
    最近だったら○国人とか」


のっぽ「そうなのか」

HERO「差別発言になるかも知れないけど。
    とにかくヤバイ筋が絡んでること多いらしいぞ」


のっぽ「ふーん」

HERO「そういう裏の権力が強い業界なら脅迫文とか要らないじゃん。
    直接乗りこめばいいじゃん」


のっぽ「だってこれ住所公開してないぞ」

HERO「…本当だ。
    あーじゃこの『ハガキでのご注文は』ってとこに脅迫状出すわけか」


ご注文は電話・FAX・ハガキで

のっぽ「そうそう」

HERO「なるほど…」

のっぽ「そう考えると、なんで電話かけないんだろ」

HERO「…あ。さぁ…」

のっぽ「FAXもついてるのに」

HERO「そっちの方が楽だよな」

のっぽ「な」

HERO「はー。わからんなぁ…」

のっぽ「まぁ所詮は脳内パチンコ屋なんだが」

HERO「まぁな」

のっぽ「だっていくらなんでも、
     どんなヤバイ893が絡んでいるパチンコ屋でも
     『コレ使われたら商売上がったりじゃー』って難癖つける人はいないと思 います」


HERO「そりゃそうだ」

まとめ
◎機械神vsパチンコ屋

のっぽ やることしょぼいぞ機械神
HERO 本物なら一度使ってみたいけどな

 



ハンター



ハンターG2


のっぽ「いきなり来たね。愛の放火魔

HERO「『恋の火花をまき散らし、あの子の心を炎上させる
     愛の放火魔!』」


のっぽ「なんか演歌の前口上みたいだな」

HERO「効能は…
    あーこれはさっきのゲッターやスナイパーと違って
    不特定多数との火遊びを推進するものみたいだな」


のっぽ「あーそうだね」

HERO「『異性運強化・恋愛運促進・ナンパ成功
     出会い増加・話ベタ解消・恋文殺到』」


のっぽ「恋文て」

HERO「古風だな」

のっぽ「粋だね」

HERO「『不特定多数の異性をメロメロにし』…
    あ、ほら、やっぱり不特定多数なんだ」


のっぽ「そか、さっきはスナイパーだから一点集中なんだ」

HERO「こっちはハンターだからたくさん獲れるんだ」

のっぽ「ああ。狩人(ハンター)だからな。」

HERO「『あなた様をモテモテにしてしまう
     夢の秘密兵器ハンターG2』」


のっぽ「モテモテて」

HERO「メロメロにモテモテ」

のっぽ「さっきのラブラブレベルの恥ずかしさだな」

HERO「次も凄いぞ。
    『そのモテ具合たるや、
     とにかくモテて、モテて、モテまくり。
     そしてさらにモテるというモテ放題ぶり』」


のっぽ「意味がわかんねぇよ!」

HERO「例えになってねぇ!」

のっぽ「あははは。ごめん、ちょっとツボにはまった」

HERO「すごいなぁ。あははは」

のっぽ「あははは。次、次」

HERO「『あなた様の恋愛観念を根底から覆し、
     あたかもこの世の異性はすべて自分のものと
     錯覚してしまうほど!』」


のっぽ「そうなのか」

HERO「『たとえ、あなた様が顔に自信がなく口ベタであっても、
     そんな事は関係ありません!
     たちまち異性のハートを独占して交流能力が強化されます。』」


のっぽ「ちょっと待て。
     関係ないのか強化されるのかどっちだ」


HERO「さぁ…ていうかこれ意味がわからん」

のっぽ「具体的なことが書かれていないからはっきりしないけど、
     この文章を信じるなら
     顔や口ベタは関係ないと言っている段階で
     
顔が良くなるわけでも口ベタが解消されるわけでもないわけだ」

HERO「なるほど」

のっぽ「なのに、交流は出来るようになると」

HERO「だけど、効能のとこに『話ベタ解消』って書いてるぞ?」

のっぽ「……解消するのか…」

HERO「矛盾してるな」

のっぽ「うーん、じゃあ『関係ありません』というのは…」

HERO「『関係ないくらい上手くなる』とか」

のっぽ「まぁ、好意的にそう解釈してあげよう」

HERO「『もちろん、顔に自信があって単に出会いがないだけ
     という方にも適しています。
     あなた様は恋の達人になれるのです。
     あなた様の時代がやって来たのです。
     もう恋に不自由はさせません。
     ロマンチックな夜を過ごされるもよし、危険な愛を冒険されるもよし、
     大恋愛を思いっきりお楽しみください。
     もはや効果を待つまでもありません。
     先に、おめでとうと言わせていただきます!』」


のっぽ「あははははは。
    文章の作り方は上手いな」


HERO「効果を待たないと意味ないと思うけどなぁ」

のっぽ「いや、だから『効果出ました』と言われなくても
    もう効果が出るに決まってるんですから、と」


HERO「ああ、なるほど、
    だから先におめでとうと言わせていただきますと」


のっぽ「そうそう」

HERO「なるほど」

のっぽ「言った者勝ちだからな」

HERO「さすがハンター」

のっぽ「ハンター。狩りまくり」

まとめ
◎言った者勝ち

のっぽ キャッチセールスってこんな感じかな
HERO 話を聞かずに逃げましょう




マネーバトラー



マネーバトラーG2


HERO「『猛金運が鬼のように押し寄せる!
     貧乏神も、顔面蒼白!』」


のっぽ「へー」

HERO「ていうか、貧乏神ってもともと青白い顔してないか」

のっぽ「うーん。まぁ、本物の貧乏神なんて誰も見たことないから
    ひょっとしたら貧乏神って赤ら顔かも知れないよ?」


HERO「それはむしろ福の神だろ」

のっぽ「そうか」

HERO「貧乏神というと、やせ細っててボロボロの服着てる
    じーさんみたいなイメージがあるじゃん」


のっぽ「んーまぁ確かに」

HERO「効能は
    『金運強化・貧乏脱出・金欠解消・
     臨時収入増加・貧乏神退散他』」


のっぽ「あー」

HERO「今度は打って変わってお金です」

のっぽ「お金だ」

HERO「名前が『マネーバトラーG2』

のっぽ「…お金と戦うの?」

HERO「…マネーゲッターとかならまだわからなくもないのに」

のっぽ「んーまぁいいや」

HERO「解説文読むよ。
    『最新の金運力学』…そんな学問あるかっつーの」


のっぽ「まぁ今から提唱すれば何でも『最新』だからな」

HERO「『最新の金運力学による金運エンジンを搭載し、
     猛烈な金運促進効果によって、
     あなた様の金回り速度を極限にまで加速して
     金回りをフル回転させます』」


のっぽ「ふーん」

HERO「金回りを加速ってことは
    出て行く金も多いってことじゃないの?」


のっぽ「経済学的にはそれで正しいでしょ。
    羽振りが良くなるって言うのは、お金の量が増えるんじゃなくて
    流れ(フロー)が増えるんだから」


HERO「ああそうか。
    『景気が悪い』っていうのは金が動かないからだって言うもんな」


のっぽ「そうそう。金がないわけじゃない」

HERO「金の絶対量が増減するわけじゃないもんな。
    景気悪いからって、みんながお金を貯めこもうとするから
    不況になるんだよな」


のっぽ「そそそ」

HERO「ふーん。そう考えるとこれ書いた人頭良いんだなぁ。
    使う方向性間違ってるけど」


のっぽ「いやいや、違う違う。
    さっきも言ったけど、嘘の上手い人は
    嘘の中に本当のことを織り交ぜるんだって」


HERO「あー」

のっぽ「その辺注意しとかないと騙されるよ?
    『消防署の方から来ました』みたいなヤツに」


HERO「実は消防署の方角からきただけっていうヤツだな。
    じゃ一体どうしたら良いんでしょうか」


のっぽ「全てを疑ってかかれ」

HERO「はい」

のっぽ「はい」

HERO「『過去において、このARTは
     極一部の特権階級にのみ販売ルートが限定され、
     それが金権政治を生み出した事につきましては
     当社も深く反省しております。』」


のっぽ「そんな昔からあるのかこれ」

HERO「さっき『1995年某月某日』って書いてあった。
    だけど金権政治が始まったのなんてもっと前だろ。
    ていうか、それ言い出したら田沼意次の時代だって金権政治と言えるし」


のっぽ「大きく出たな。
    そこにはいつの話か書いてないの?」


HERO「そだな。いつとは書いてないな」

のっぽ「ふーん」

HERO「いろいろ事件になった政治家の人たちも持っていたのかな」

のっぽ「みんな捕まってるけどな」

HERO「『現在、日本では貧乏神が異常発生する
     深刻な問題が発生しています。』」


のっぽ「なんかウィルスとか…」

HERO「…害虫みたいに言われてるな」

のっぽ「虫扱いか、貧乏神」

HERO「『貧乏神とは取り憑いた人の金運を食べて
     借金地獄に陥れてしまう恐ろしい神です。』
    ここ。ここチェックしておいて。
    貧乏神は金運を食べるらしいです」


のっぽ「はい」

HERO「『この非常事態に当社ではある大作戦を展開します。
     その作戦とは、マネーバトラーG2をご購入いただく事によって
     お金持ちになっていただくだけ!
     そしてそのお金を好きなだけ使っていただくだけ!
     実は、このARTによって獲得した金銭には
     貧乏神を中毒死させる効果があり、
     そのお金が日本中に出回る事によって貧乏神は死滅するのです。』」


のっぽ「ますます虫扱いだな」

HERO「あのさ、さっきの説明では貧乏神って
    『金運』を食べるはずだったじゃない」


のっぽ「ああ、うん」

HERO「それが何時の間にかお金そのものを食べることにすり替えられてる」

のっぽ「なるほど」

HERO「ね」

のっぽ「さて、そこでですが」

HERO「はい」

のっぽ「ワタクシ、貧乏神について調べました

HERO「調べましたか!」

のっぽ「資料元は妖怪データベースです」

HERO「あーあそこか」

のっぽ「それがさー、貧乏神ってやたら検索に引っかかってさ。
    よっぽど逸話あるんだなーって思った」


HERO「実は貧乏神って良い神様とかそういうオチ?」

のっぽ「うん、そういう話もあるよ。
    貧乏神に親切にしたら良い目を見たって話」


HERO「おお」

のっぽ「まぁこのページって貧乏神そのものの説明じゃなくて、
    貧乏神が出てきてこうなりましたっていう話ばっかりなんだけど」


HERO「あーなるほど」

のっぽ「引っ越そうと思ったら、
    貧乏神も一緒に引っ越そうとしているのを見付けた、とか」


HERO「嫌だなそれ」

のっぽ「笑ったのは、そんな目にあった人が
    それからがんばってお金持ちになったら
    ある日また貧乏神が荷物を纏めて
    『居心地が悪くなったから出ていきますわ』って言われたんだって」


HERO「へぇー。
    あれ、じゃ貧乏神に取り憑かれてるからって金が儲からないわけじゃないのか」


のっぽ「そうそう。ざっと見たところ、
    貧乏神は貧乏だから取り憑くんであって
    取り憑くから貧乏になるわけじゃないみたいだよ」


HERO「ああ。原因と結果が逆なのか」

のっぽ「そうそう」

HERO「なるほど。
    じゃ貧乏神が絶滅しても意味ないじゃん」


のっぽ「うん。貧乏神可哀想だね」

HERO「はー。それにしてもこれ、ほんとに害虫扱いだよね。
    ゴキブリ対策にホウ酸団子みたいな」


のっぽ「あはは。だよね」

HERO「『現在、日本ではゴキブリが異常発生する深刻な問題が発生しています。
     このARTによって獲得したホウ酸団子には
     ゴキブリを中毒死させる効果があり、
     そのホウ酸団子が巣中に出回る事によってゴキブリは死滅するのです。』」


のっぽ「巣に帰ったら一網打尽!」

HEROコンバーット!
のっぽコンバーット!

HERO「ゴキブリには巣があーる!」

のっぽ「貧乏神には巣があーる!」

HERO「巣に帰った貧乏神が一斉ノックアーウト!」

のっぽ「コンバーット!」

HERO「マネーバトラー!」

まとめ
◎コンバット

のっぽ 貧乏神の基本的人権を要求します
HERO お金を食べている貧乏神を見てみたい

 



チャクラ・オープナー



チャクラ・オープナーG2

HERO「『予言 !? 暗号 !? 警告 !?
     超人養殖計画 !? 』
    ……一気に胡散臭くなりましたが」


のっぽ「えーと、つまり超能力者になれますってこと?」

HERO「そーだな。読むよ。
    『チャクラ覚醒・超能力開発・念力開発
     神通力の獲得・霊性向上・解脱促進他』」


のっぽ「おー」

HERO「麻原彰晃にこれ包んであげたら良かったね」

のっぽ「麻原はいらんだろ。もう解脱してるから」

HERO「してるのか」

のっぽ「世間からね」

HERO「あ、なるほど」

のっぽ「で、商品名は…チャクラオープナー?」

HERO「名前はそのままだな」

のっぽ「なんかオープナーって言われたらさー、
    缶詰とか封筒とかそんな感覚だよね」


HERO「あー」

のっぽ「ずいぶんお手軽っぽいよね」

HERO「ええと…
    『秘密兵器チャクラオープナーG2は、
     装着する事によってチャクラ開発プログラムを潜在意識に格納し、
     強制的にチャクラを開く超能力者変身ツールです。』」


のっぽ「変身ツール…」

HERO「『覚醒されるチャクラは、サハスラーラ、アジナー』……
    …ようわからん。
    あ、でも聞いた事ある名前ばっかりだな」


のっぽ「あ、それ、一応その筋では有名な単語らしいよ」

HERO「ちなみにサハスラーラって
    スーパーファミコンの『ゼルダの伝説』に出てたよな」


のっぽ「そこまで知らねぇ」

HERO「まぁいいや。
    『チャクラが開きますと様々な超能力や念力が発揮できます。
     例えば、スプーン曲げや透視、幽体離脱、前世解読、
     チャネリング、動植物との会話』……
    これちょっと見てみたいかも。動植物との会話」


のっぽ「あれか。植物さんに電極つけて
    『こんにちはー』『ハーイ』ってやつ」


HERO「あれか!」

のっぽ「あれだ!」

HERO「『瞬間移動、占断の的中率の向上や呪術的作業の成功など
     無限の可能性を秘めています。
     また、霊的成長を促す秘儀参入プログラムが開発段階に実行され、
     霊能力をフルに活用するための、
     より高度なチャクラパフォーマンスを実現しています。
     通常であれば、最低10年は必要とされる修行を、
     あなた様は難行苦行もなしに短期間で
     優れた霊的エンジニアになる事が可能なのです。』」


のっぽ「はーん」

HERO「じゃこれを首からかけたら、スプーンを曲げられるんだ」

のっぽ「うん。そうだね」

HERO「じゃ伏せたコップの底の所にコインを載せて
    ハッてやったらチャリーンて中に入るんだ」


のっぽ「それは手品。Mr.マリック」

HERO「むー」

のっぽ「まぁ真偽はともかく、言いたいことは分かるんだけど、
    オイラが面白いなと思ったのは、これ、超能力の説明なのに
    コンピュータ業界みたいな言い方をしてるとこだな」


HERO「『格納』とか?」

のっぽ「うん、それもだし、
    『秘儀参入プログラム』とか
    『チャクラパフォーマンス』とか
    『霊的エンジニア』とか」


HERO「そういえば、この広告あちこちに『霊的』って言葉よく出てくるな」

のっぽ「そうだね。この手の人たちって『霊的』って言葉好きなのかなぁ」

HERO「ちょっと昔、お前も日記で『霊的』って書いてなかったっけ」

のっぽ「ああ、日コン連の話ね。
    確かにあそこも『霊的』って言葉多用してたよなぁ」


まとめ
◎霊的に

のっぽ 霊的に全て解決
HERO 便利な言いまわしだね





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