第六章 お兄ちゃんと外宮
12月31日午後10時すぎ。
一同は伊勢神宮の外宮に到着。
てゆーか外宮はほんとに伊勢市駅から目と鼻の先にあるので、あっという間です。
外宮はそこそこの人出ですが、話で脅かされていたほど人ゴミがゴミゴミしていませんでした。
歓談しながら歩みを進める一行。
特に、地元民たる咲人さんはこと細かく伊勢神宮について解説をしてくれます。
非常にありがたかったのですが、ごめんなさい、ほとんど覚えていません。
この後も伊勢神宮について色々触れていますが、無礼極まりない解釈で書いていますのでそっとしておいてあげてください。特に神様。
周囲ではキャンプファイヤーというかどんど焼きというかたき火というか、まぁとにかくなんだか火を囲っている人たちがいました。
あそこを裸足で渡るのかと問うてみたところ、咲人さんから速攻で否定されました。なんだ違うのか。
拝火教の皆さんを後にして。
オイラたちはまず伊勢神宮外宮の本体を後回しにし、オマケっぽい三つの建物に向かいました。
そこへは一つのわき道に逸れなければならず、さらにその先で道が別れたりしています。
そのわき道の入り口に、案内用の立て看板。
風 | 土 | 多 | ||
賀 | ||||
宮 | 宮 | 宮 | ||
「風土多」「賀」「宮宮宮」と読んでしまったオイラを誰が責められようか。
さて、そんなわけでこのオマケ3つに参拝しに行ったわけですが、これがなかなか穴場でして。
人が少ない上、灯りが乏しいのでほぼ真っ暗。
ちょっと道を外れれば草木が生い茂った山の中。
穴場でしょ。(何のだ)
神出鬼没的に一瞬行方不明になる咲村さんを監視しつつ、社を次々クリア。
そしてようやく外宮の本体へとやってきました。いわば、中ボスといったところでしょうか。
本殿というのか正殿というのかよく知りませんが、多くのお客さんが盲目的に金銭を投げ入れていました。
それを尻目に「うわー藁葺き屋根だ」と古代ロマンに浸るオイラ。
外宮の本体より奥地に行く道には「立ち入り禁止」とばかりにロープが張られていました。
麗士さんがデジカメを構え始めたので、「うわぁ。写るかなぁ(見えないものが)」と期待したのですが、やはり咲人さんに速攻で否定されてしまいました。
いかにも「このはしわたるべからず」と書いてありそうな橋を渡って外宮を離れます。
「シスプリはどうよ?」と会話する一行の前にふと現れた一軒の夜店。
お面屋さんです。
が、よく見ると…
食パンマン様!
お面というのは大抵丸いです。
ドラえもんにしろ、キティちゃんにしろ、大体丸を基調とした顔をしています。
それに、お面にするにも球体が一番頑丈であり合理的なのです。
しかし食パンマン様は四角い。
とにかく四角い。食パンだから四角い。
それをお面にしようというその発想。
常識を打ち破るその発想が、世界の技術を引っ張っていく原動力になるのですね。
オイラは感動してしまいました。食パンマン様に。
ドキンちゃん。あなたの男を見る目は確かです。
外宮を出た一行は、その足で内宮へと向かいます。その足で。
第三章でも書きましたが、伊勢市駅前から伊勢神宮内宮まではバスで20分かかる距離。
そこを延々ひたすらとことん徹底的に歩くわけです。
というか、内宮は外宮とは比べ物にならない混雑とのこと。
車で行こうものなら渋滞必至であり、それなら歩いていく方が建設的なわけで。
人家どころか灯りすら乏しい自然溢れる景観を眺めながらひたすら内宮へ向かうご一行様。
周囲が静かなので話がしやすく、会話も弾みます。
オイラ「そうそう、オイラずーっと思ってたんですけど」
咲人さん「はい?」
オイラ「ほら、オイラたちって5人いるじゃないですか。そしてうち女性が一人…」
咲人さん「僕もそれ思ってました!」
オイラ「やっぱり?やっぱり?色決めますか、色」
麗士さん「じゃあたしブラックで」
一同「なんでだよ!」
麗士さんナイスボケ。
咲人さん「誰かカレー好きな人いません?」
オイラ「うわ、黄色決定な条件」
咲人さん「ゴトウさんがいたら確定なんですけどねー」
出た。テキストサイト系トーク。
その他、お互いのサイトの話やネットに関する話でいろいろと盛りあがりました。
その最中でおもむろに携帯を取り出し、ドッキリ企画と称してかけ始める咲人さん。
突如全員と挨拶することになった電話の向こうの皆様、ご愁傷様でした。
特にオイラなんて「じゃあ咲人さんに戻します」しか言っていない気が。
コンビニで小休止。
ダイエットコーラを「これで手を洗うとサラサラなんですよ!サラサラ!」と熱弁しながら購入する咲村さんが印象的でした。
ミルク中毒のオイラが咲人さんのお勧めしてくれた牛乳を飲んでいると、PHSが鳴りました。
相手は当サイト影のメインコンテンツ、HEROりん。
律儀にも年末のご挨拶をしてきてくれたのです。
マメですね。ありがとう。
いいヤツです。ほんと。
電話かけてくるタイミングはいつも悪いけどな。
麗士さんが用意していたお菓子をつまみながら再び歩き出す一行。
そして刻々と近づく、0時0分0秒。
実は、我々にはある重大な使命があったのです。
そう、それは日付の変わるその時、まさにその瞬間のマジック。
咲人さん「わ。時報に繋がらない」
一同「えー」
制限がかかっている模様です。
数回かけなおしてようやく繋がりました。
咲人さん「3!2!1!」
一同「えー!もうですかー!?」
咲人さん「はーい今11時58分ですー」
お約束です。