第三章 ぶらり赤福の旅


12月31日午後3時半。


オイラは鳥羽から伊勢市駅まで戻ってきました。

さて、第一章でも触れましたがオイラは赤福が大好きです。
今回の旅では赤福を腹いっぱい食べてやろうと、そう、昔からの悲願を成就させようと、虎視眈々狙っていたわけです。


さて、まずは赤福のホームページで事前に調べておいた情報をもとに、赤福本店を目指すことにしましょう。
印刷して持ってきていたマップを駅前の地図と照らし合わせ、目標地点を確認。




……どこ? ←首を傾げて




てっきり駅前にあると思っていたオイラ。
しかし、アクセスマップをよくよく見ると、五十鈴川があり、宇治橋があり、浦田橋があり、おかげ横丁があり…
ああ、なんだ、伊勢神宮の内宮の近くだ。
つまり、内宮まで行けば良いわけね。ハハン。

オイラは甘く見ておりました。
ろくに伊勢の地理も判っていないまま、いつもの「なんとかなるなる」思想で気楽に考えていました。


オイラ「すいませーん、内宮へはどういう交通経路があるんでしょうか?」

売店のおばちゃん「バスで20分」

オイラ「遠っ!」


甘かった。
本当に甘かった。

かくしてオイラは20分もの間バスに揺られて、内宮の近く「神宮会館前」停留所で降車。
そのまま「おかげ横丁」に足を踏み入れました。



おかげ横丁。

そこは和風の建物が軒を連ね、いろいろなお店が並んでいました。
中には、「本日は15時で閉店いたしました。次の開店は21時になります」という張り紙を残しているつわものな店も。
いかにも大晦日〜初詣の客を狙ってます。やるな。

どうでもいいけど、ケーキ屋さんの屋根が和風で壁や柱が洋風という作りは無理がありませんか。


そんなおかげ横丁をサラリと通過し、新橋と呼ばれる大きな橋のたもとまで抜けたところに、

 赤福本店

赤福本店発見。

おお。なんと荘厳な、それでいて質素な店構え。
店内では大きな赤い釜がしゅーしゅーと湯気を立てております。

しゅーしゅー


オイラの今回の目的は、赤福の店舗で食べられるという冬季限定の「赤福善哉(400円)」。
赤福er(「あかふかー」と読む)としてはこれは食さないわけには参りません。
本店に突入して、食券売場で注文です!

オイラ「赤福善哉ください!」
店員「向かいの店でお買い求め下さい」


しょんぼり。


実は赤福本店は道を挟んだ両側にまたがっており、赤福善哉はオイラの入ったのとは反対側の店舗で扱っているとのこと。
気をとりなおして入店をし直し、注文。
糖分でカビカビになっている赤じゅうたんが敷かれた共同座席の上にちょこんと座って待ちます。

そして、ついに、ついに来ました!
こ、これが赤福善哉ですか!

 赤福善哉 鳥瞰図

お椀の中に満たされた甘い甘いお汁粉。
そしてその中に浮かぶ2個のおもち。
付け合せとして出てきた梅干と塩昆布。しょっぱいものと一緒に食べれば、それだけ甘味が増すというからくりです。
そして、甘くなった口の中をさっぱりと浄化してくれるいっぱいのお茶…


で、これどこが赤福なんですか?


これってただの善哉なのでは。
だって、おもちは焼餅だし、あんこはつぶあんだし、赤福の要素がことごとくなくなっている気がするんですが。
同じもちとあんこを使っていたら「赤福」を名乗れるとでもいうのか。
そんな考えは甘い!甘いわ!(赤福だけに)


 全ては胃袋の中へ

 完食。(特大フォントで)

ご馳走様でした。(味皇風に)


まぁなんちゅーの?
そんな細かい下らんことにこだわるのもバカバカしいちゅーか。
ぶっちゃけ、美味ければなんでもいいちゅーか。
はー満足満足ってお茶もすすりたくなるちゅーか。冷やし中華。伴宙太。チューバッカ。



せっかくですからね、先ほどのでっかい釜があった方にももう一度行ってみることにしましょう。


 


あれー?
なんでオイラの前に赤福3粒セット(230円)が!
おかしいなぁー?


 全ては胃袋の中へ

 

ご馳走様でした。(味皇風に)

善哉には2粒の赤福が入っていたと考えて計算すると、本日は合計13粒の赤福を食べたことに。
なんだその目は!
いいじゃないか!本人が幸せならそれで!それで!

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