第一章 ぶらり電車の旅


12月31日午前10時。


オイラは近鉄難波駅に降り立ちました。

スラりんに教えてもらった「伊勢初詣切符」なるものを購入し、改札in。
これを使えば伊勢への交通費が二割引きになる上、伊勢方面の各駅で乗り降りし放題というお得な切符なのです。
やはり持つべき物は鉄道に詳しい友達ですね。

特急券の割引機能も付いてはいるのですが、オイラは特急を使わず急行電車に乗車。速攻就寝。
なんと言っても、これから徹夜イベントの大凶行が待ちうけているのです。
今のうちに睡眠を貪っておくのが賢明というものでしょう。

大丈夫。車内の側面に一列の座席がついている一般的な形式の車両ですが、オイラは毎日通勤時にこの状況で寝ているではないですか。
概算で二時間はかかるこの行程。
しかも電車の行き付く終点まで行けばOK!
乗り過ごしなど気にせずゆったりと眠れるはずです。

寝れ!寝るのだオイラ!




…………





……















ふーんそうなんだ。寝るのに失敗すると、頭痛くなるんだね。 ←遠い目で



うーん、それにしてもたるい。
難波から伊勢までの近鉄電車というのは、中盤に差し掛かったあたりから各駅で止まりやがるのです。急行の癖に。

イライラ。イライライラ。

さっさと行けよ、もー!
いくら進んでも似たような駅ばっかりじゃないか!(山の中だからね)
まるで無限ループしているようだよ!ロンダルキアの洞窟かお前は!(ドラクエII)



そんな時に見かけた一服の清涼剤。

 くノ一デザインの列車。

うわぁ。
そうか、伊賀神戸駅だから、伊賀忍者なのね。あははは。
どうでもいいけど、「いがかんべ」駅って面白い響きの名前だなぁとおもいました。
「ここがいがかんべだべー」みたいな。
ごめんなさい、"いがかんべ"の皆さん。ぷぷ。いがかんべ。 ←気に入ったらしい


そんなこんなで電車に揺られること二時間ちょい。
電車は宇治山田駅に停車。この急行はここまでです。
オイラはとりあえず鳥羽駅に行きたかったので、鳥羽に向かう普通電車の到着を待ちます。

その隙に。

オイラは売店へと足を運びました。
伊勢といえばやっぱこれですよね。

 ピンクのパッケージが鮮やかな「赤福」

   赤福。

伊勢名物といえばこれですよこれ。
オイラも過去に何度か食べたことがありますが、こいつは非常に美味しい。
適度な甘さのあんこが柔らかいおもちをすっぽり包んでいて、口に入れた途端に広がる芳醇な味わい。
甘いのにしつこくなく、いくつでも食べられそうな、そんな和菓子です。

しかしそのおいしさは新鮮さに裏打ちされたもの。
いわゆる、生ものなのです。
長く置いておくとおもちが固くなってしまったりと美味しさが半減してしまう。

パッケージにも、このようにちゃんと書いてあります。

生ものですからお早めにお召し上がり下さい 生ものですからお早めにお召し上がり下さい




 赤福8粒パック 600円

では、早速いただきまーす。

先程も赤福の魅力については語りましたが、オイラは赤福が大好きです。そらもー大好きです。
ですので、一度腹いっぱい赤福を食べてみたい。こう考えるのは無理のないことだと思うのです。


ですから。


 全ては胃袋の中へ

 完食。(特大フォントで)

ご馳走様でした。(味皇風に)


いやぁ、空きっ腹にいきなり8粒は流石にきつかった。正直きつかった。
しかも駅のホームで寒風吹きすさぶ中赤福というのもかなりきつかった。

しかし、オイラの赤福に対する愛の前にそんなものは無力!
王蟲の大群の前に立ちふさがる王蟲の子供みたいなもんです。
 (↑ナウシカと一緒に跳ね飛ばされてました)

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