ショートコント:魔法のランプR
(2005/2/3作)
魔人「でろでろでーん」
人間「わ、なんか出た」
魔人「私はランプの魔人です」
人間「うそ! すげー! 超すげー!」
魔人「いや、そんなに興奮されると照れますけど」
人間「どうやってこんな小さいランプに入ってたの!」
魔人「そっちか!」
人間「え、なになに、イリュージョン? 引田天功?」
魔人「だからランプの魔人だってば」
人間「変な芸名」
魔人「だからマジシャンじゃなくって。正真正銘、本物のランプの魔人です」
人間「なんだつまらん」
魔人「…やりにくいな。えーと、一つだけ願い事を叶えます」
人間「なんでも?」
魔人「はい。なんでもOKです」
人間「わーいラッキー! どんなチクタクバンバンをもらおうかなぁ」
魔人「チクタクバンバン限定かよ! ていうか今時チクタクバンバンて!」
人間「嘘、嘘。ちゃんとした願い事考えるよ」
魔人「お願いしますよ、ほんとにもう」
人間「よし。じゃあねぇ…」
魔人「はい、では願い事をどうぞ」
人間「世界で一番!」
魔人「お、大きく出ましたね。世界で一番?」
人間「大切な、あなたへ…」
魔人「意味がわかんないよ!」
人間「前フリだよ!」
魔人「前フリとか要らないから! しかも前フリにしても意味がわかんない!」
人間「えー。んーじゃあねぇ」
魔人「もう、さっさと言っちゃってくださいよ」
人間「台所の三角コーナーの」
魔人「ものすごいスケールダウンした!」
人間「あ、ごめ、やっぱ今のナシ。ちょっと無謀過ぎた」
魔人「三角コーナーをどうすれば無謀な願いになるんだ…」
人間「よし、じゃ今一番したいことにしよう」
魔人「ああ、いいですね。はい、どうぞ」
人間「くしゃみがしたい」
魔人「すればいいじゃんか! 魔人に願うことじゃないよ!」
人間「違うよ。出そうで出ないんだよ。あるでしょそういうの」
魔人「そりゃありますけど…本当にそんなのでいいんですか?」
人間「あ、待って! 出そう! 生まれそう!」
魔人「生まれそうって何」
人間「ハ…ハ…」
魔人「お、来た?」
人間「ハクション!…って言ったら♪大魔王〜って言って」
魔人「フェイントかよ!」
人間「ハ…ハ…ふぇっぶちっ」
魔人「ハクションじゃないし」
人間「あー。すっきりした」
魔人「良かったですね。それで願い事の件なんですけど」
人間「♪大魔王〜って言ってくれなかったから今のはノーカンだよ!」
魔人「いや、別に私も今ので済ませようとか思ってませんけど」
人間「おお。君なかなか肥満体だな。ああ違う、太っ腹だな」
魔人「ツッコむのも癪に触るからツッコみません」
人間「わかったからさっさと願い事決めろよ」
魔人「それは私のセリフ!」
人間「冗談、冗談。えーっとそれじゃあねー」
魔人「だんだん頭痛くなって来た」
人間「あ、実は、クラスに気になる女の子がいるんだけど」
魔人「お、やっとそれっぽくなってきた」
人間「その子、喋るといつも語尾が伸びるんだよ」
魔人「はいはい」
人間「あのねぇー、私ぃー、こないだぁー、って感じで」
魔人「ふんふん」
人間「それが気になって気になって」
魔人「なるほどー」
人間「気になる女の子でしょ」
魔人「"気になる"ってそういう意味!?」
人間「うん」
魔人「そ、そうですか。じゃあ、願い事はその語尾を直させるとかそういう…」
人間「あ、そうだったそうだった願い事だったね。うーん、何にしようかなぁ」
魔人「えっ、今の話は!?」
人間「ああ、場を繋ぐための雑談」
魔人「ええー!」
人間「うーん、願い事ねぇ」
魔人「…もう私この人とは関わり合いたくないよ…さっさと願い事を叶えて帰りたい」
人間「よし、じゃあ昔漫画で見たことのある願い事、これで行こう」
魔人「ああ良かった、やっと帰れる。はいはい、なんでしょう」
人間「俺と友達になってください」
魔人「ひぃぃぃぃっ」
ちなみに漫画は「まじかるタルるートくん」。