ショートコント:金田一少年の事件簿(を編纂する方)
(2008/02/12作)
「どうも初めまして。金田一といいます」
「金田一? 珍しい名前だね。有名なあの人と同じ苗字だ」
「あ…はい、実は僕、その金田一京助のひ孫で…」
「ぷっ。おいおい、冗談はやめてくれよ」
「いや、僕は本当に…」
「現実にいるわけないでしょ。あんな探偵」
「え! いやいや、そうじゃなくて…」
「あ、それともあれ? 漫画? 漫画の方?」
「じゃなくて…」
「だめだよー、現実を見なきゃ」
「あのですね…」
「ていうかネタだよね? まさか本当に金田一が存在してるとか思ってないよね?」
「いや、僕の方は本物の…」
「ちょ、それマジで言ってる?」
「いや、だから本当に…」
「はぁー、世も末だ。これがゆとり教育の弊害ってヤツですか」
「あの…」
「あのね、あれは小説。フィクションなの」
「いや、だから…」
「だから金田一なんて探偵は存在しないのね。わかる?」
「はぁ…」
「わかればよろしい。今後はそんな頭の悪いこと言っちゃダメだよ」
「…いや、あの…」
「うん?」
「僕の曽祖父は金田一耕助じゃなくて、金田一京助なんですが…」
「へ? 誰?」
「頭悪いのはどっちだ」