ショートコント:料理の鉄人
(2006/10/25作)


♪オープニング〜

主宰  「私の記憶が確かならば、ある有名な人がこう言っている。口へんに未だと書いて味と読む、と」
挑戦者「味皇だろそれ」
主宰  「それでは今日も料理の鉄人たちをご紹介しよう。蘇るがいいアイロンシュフ!」
挑戦者「アイアンシェフだろ。アイロンがけしてる主婦になっちゃってる」
主宰  「まずはフレンチでハレンチの鉄人、坂井ぴろゆき!」
挑戦者「…ハレンチ?」
主宰  「続いて中華の鉄人、陳珍一!」
挑戦者「なんかもっとハレンチそうな名前なんだけど」
主宰  「そして和の鉄人、道場三六十八郎!」
挑戦者「長い名前だな。さぶろくじゅうはち」
主宰  「最後に駄菓子の鉄人、やまざきりょうたくん(8)!」
挑戦者「いやちょっと待て」
主宰  「さて誰を指名するかね? ちなみにやまざきりょうたくん(8)は食べるの専門だ」
挑戦者「だめじゃん。ええと…では和の鉄人を」
主宰  「和の鉄人、道場三六十八引く二郎!」
挑戦者「勝手に引いてやるなよ」
主宰  「さてそれでは今日の食材を発表しよう。今日の食材は…」
挑戦者「……」
主宰  「満漢全席だ!」
挑戦者「思い切り出来上がってんじゃん! 食材じゃないじゃん!」
主宰  「ちなみにこの満漢全席は中華の鉄人、陳珍一のお手製である」
挑戦者「鉄人に作らせるなよ」
主宰  「制限時間は60ミリセコンド。さぁ、存分に調理するがいい!」
挑戦者「え、ミリセコンド!?」
主宰  「アレ・キュイジーヌ、はいタイムアップ!」
挑戦者「料理する暇ねぇよ!」
主宰  「では試食に移ろう。まずは挑戦者から。なるほど、挑戦者の料理は満漢全席か」
挑戦者「そりゃそうでしょ」
主宰  「ふむ。これは旨い! 素材の味がよく出ている」
挑戦者「素材…って満漢全席のことだよね」
主宰  「他の審査員にも話を聞いてみよう。どうかね、やまざきりょうたくん(8)」
挑戦者「本当に食べる方に回ってるし」
主宰  「ふむ。やまざきりょうたくん(8)は陳珍一氏の味に似ているという感想のようだ」
挑戦者「わざと言ってますか?」
主宰  「では続いて鉄人の料理を。なんと、鉄人も満漢全席なのか」
挑戦者「バカにされてる気がしてきた」
主宰  「ふむ。味は挑戦者とよく似ている」
挑戦者「そろそろ怒ってもいい頃かな」
主宰  「それでは結果を発表しよう…勝者、挑戦者!」
挑戦者「え。まじで?」
主宰  「鉄人の料理も旨かったが、敗因は少し冷めてしまっていたことである」
挑戦者「それはどう考えても鉄人のせいじゃないと思うな」
主宰  「というわけで、おめでとう挑戦者!」
挑戦者「喜べませんよ。何もしてないし」
主宰  「まぁ本当の勝者は最初に満漢全席作った陳珍一なんだけど」
挑戦者「わかってるならすんな!」