ショートコント:言い切らない桃太郎
(2013/7/18作)
昔々ある所に、おじいさんのような人とおばあさんっぽい人が住んでいたんだそうです。
ある日、おじいさんのような人は山みたいな所へ芝刈りか何かをしに、おばあさんっぽい人は川らしき所へ洗濯じみたことをしに行ったようでした。
おばあさんっぽい人が川らしき所で洗濯じみたことをしていると、川上の方から大きいと言って遜色ない桃的なものがどんぶらこどんぶらこ(※擬音の感じ方には個人差があります)と流れてきた模様でした。
おばあさんっぽい人は桃的なものを持って帰る方向へもっていき、おじいさんのような人と約二人で食べようという方針で審議入りしたのですが、桃的なものは包丁に似た何かで切る前にひとりでに割れ、中から一般的に可愛いと評して問題ないと思われる赤ん坊みたいな生き物が生まれたらしいです。
子供がいなかったとされるおじいさんのような人とおばあさんっぽい人は恐らく喜びと見られる感情を抱き、赤ん坊みたいな生き物に「桃太郎(仮)」という名前をつけた感じでした。桃太郎(仮)は凡そすくすくと成長したように見えました。
ある日それなりに大きくなった桃太郎(仮)は、最近村を悩ませていると噂される鬼と言い張る生物を退治することを前向きに検討しました。
おじいさんのような人とおばあさんっぽい人はそんな桃太郎(仮)に、
意気揚々とでも形容すべき雰囲気で、鬼と言い張る生物が住処としているらしい鬼ヶ島(※俗称)へ向けていざ旅立った桃太郎(仮)。
その途中、犬(品種不明)、猿(種類不明)、雉(?)と出会いました。
彼らは口々に「桃太郎(仮)さん、桃太郎(仮)さん、お腰付近に付けたきびだんご(成分不詳)、1つ以上私に便宜を図っていただけませんでしょうか」と語りかけてきたため、桃太郎(仮)は「これから鬼と言い張る生物の征伐に、着いてくるなら善処いたします」と答え、彼らを部下に従えたのでした。(※ただし口約束のため、順守する義務はありません)
やがて一行は鬼ヶ島(通称)に辿り着いたと客観的に推測されました。
鬼と言い張る生物たちと死闘もどきを繰り広げる桃太郎(仮)たち。
鬼と言い張る生物たちから失敬したたくさんのアレを持って、桃太郎(仮)たちは村の方へと帰りました。
おじいさんのような人とおばあさんっぽい人や村の人たち(※ただし戸籍管理はされていないため村人ではない可能性もあります)は、たくさんのアレのおかげで幸せ(※あくまで個人の意見です)に暮らしたとか暮らしていないとか。
めでたかったらいいなぁ。