ショートコント:ゲーム漫画のノリで
(2005/09/13作)


「おいお前!」
「うん?」
「お前がこの界隈で一番ゲームが上手いと言う奴か」
「ああ…そうだ。人は私のことを畏敬の念をこめてこう呼ぶ…」
「……!」
「ゲームチャンプ"もょもと"!!」
「確かに強いだろうけどなんか卑怯っぽいぞ」
「で、なんだお前は」
「お、俺こそが最強ゲーマーの名にふさわしい男だ!」
「ふむ。よし、便宜上お前は"ゲレゲレ"と呼ぶことにしよう」
「寄りによってドラクエVの中で一番どうかと思う名前かよ」
「んでなんか用か、ゲレゲレ」
「くっ。お前にゲーム勝負を申し込む、もょもと!」
「私とゲーム勝負…? ふっ身の程知らずなやつだ。いいだろう、その申し出受けて立とう」
「ソフトはお前に決めさせてやる! 首を洗って待ってやがれ!」
「ははは。面白い奴だ。わかった。早速風呂に入ることにしよう」
「あ、いや、文面どおりに受け取らなくていいから」

 ――そして数日後。

「来たな」
「ああ。来たぜ」
「なら早速始めようか」
「ああ。で、勝負のソフトは何だ? シューティングか? アクションか?」
「これだ」
「こ、これは……!」
「超能力育成ソフト・マインドシーカーだ!」
「…またこれは…寄りによって…」
「さぁ勝負だゲレゲレ!」
「…わ、わかったよ…」
「……(プレイ中)」
「……(プレイ中)」
「……むぅ、透視失敗か…」
「…………」
「…………」
「……念力でドアを開けろって言われてもなぁ…」
「…………」
「…………」
「…………」
「……なぁ、もょもと」
「…なんだ、ゲレゲレ」
「全然盛り上がらないんだが」
「無理もないね」
「ていうかこれさ、結局運に頼る以外ないんじゃね?」
「超能力を研ぎ澄ますんだよ」
「できるの?」
「できない」
「だめじゃん」
「だめだな」
「クリアしたことある?」
「ない。ぶっちゃけ開始五分で投げ出したっきり」
「そんなソフト選ぶなよ」
「うむ。さすがに後悔してる」
「やめない?」
「やめようか」
「うん、やめよう」
「わかった。やめよう」
「じゃあ今日のところは引き分けってことで」
「了解」
「今度までに別のソフト選んでおいてよ」
「わかった。じゃあ次はシーマンで勝負だ!
「お前、全然わかってないだろ」