のっぽ「あー涼しい。クーラー最高」

HERO「表暑かったからなぁ。効くね」

のっぽ「まさに、まずジュー日和

HERO「…それは嫌だな。あ、すみません、大人二人。
    禁煙席でも喫煙席でもどうでもいいんであの席いけますか?」


のっぽ「お、ドリンクバーの目の前(笑)」

HERO「目の前の方がやりやすいでしょ」

のっぽ「いーねーいーねー」

HERO「さて…と。とりあえず何か頼むか」

のっぽ「ぐびぐびぐび」

HERO「何飲んでんだよ!

のっぽ「水だ!

HERO「見りゃ判る!じゃなくて、なんのためにDDRとかして喉乾かしてきたと思ってんだ!」



のっぽ「というわけで、お昼ご飯も注文したことだしいよいよ始めますか」

HERO「うむ」

のっぽ「とりあえず、ドリンクバーに置かれている飲み物にどんなものがあるのか整理してみよう。」

HERO「飲み物の他にアイスティ用のレモンスライスがあるけどこれは使っていいの?」

のっぽ「うーん、まぁ一応ジュースに入れる用として備え付けられているわけだから、いいか。
     あ、コーヒー用のガムシロップとかミルクとかもあるね」


HERO「それもアリだろう」

のっぽ「わかった。じゃ、こんなものかな。あ、今回ホットの飲み物は除外ね」

HERO「暑いしな」


コカ・コーラ

ファンタ メロンソーダ

アンバサ ホワイトウォーター

Hi-C ピンクレモネード

ミニッツメイド オレンジ

爽健美茶



アイスコーヒー

アイスティー




レモンスライス



ガムシロップ

ミルク (フレッシュ)

キャラメルシナモン

ヘーゼルナッツ&チョコレート


HERO「……"キャラメルシナモン""ヘーゼルナッツ&チョコレート"ってなんだ…」

のっぽ「よくわかんないけど…ガムシロップとかと同じような小さいカップに入ってるね」

HERO「アイスティーとかに入れるのかな。ちょっと舐めてみよ…ずずずず」

のっぽ「舐めてねぇ。飲み干してるし

HERO「うわ。確かにキャラメルだ。グリコとかの」

のっぽ「まぁ名前どおりだね。さて、ではそろそろ始めますか」

HERO「どんな風に?」

のっぽ「ちゃんとルールは決めてきた。
     まず、交代でレシピをあらかじめ決めてから実際に作ること。
     思いつきで作ってもわけわからなくなるだけだからな。
     そしてひとつの作品を各自10点満点で採点。マズいほど高得点。
     採点者が一人だと評価が偏るしね。」


HERO「DDRの難易度表記に似てるな…。普通に飲めると思ったら3点ぐらいか?」

のっぽ「んーまぁそんなもんでいいんじゃない?あとは各自の独断と偏見で」

HERO「いい加減だな…」

のっぽ「ジュースの量も目算でいいでしょう。そのくらいは誤差ということで」

HERO「了解。じゃ、さっそく俺から作ろう」



☆レシピ 1



HERO「……うーん。そんなにまずくないな」

のっぽ「そうだねぇ。アンバサと爽健美茶は完全に味が消えてるけど」

HERO「コーラが強すぎるんだな。コーラの味の後にコーヒーが来る」

のっぽ「うん、後味がコーヒーだよね」

HERO「若干アンバサの味がしないこともないけど…味がはっきり分かれてしまってるね」


<評価>
のっぽ 炭酸コーヒー
HERO まずくはない



HERO「お、食べ物が来たぞー」

のっぽ「わーい。実はお腹が減っていたのです」

HERO「さっきの飲み物でじゅうぶん食えるよなー」

のっぽ「まずくはなかったもんな。企画的には失敗の部類

HERO「……美味いと失敗なのか…嫌な企画だな…」

のっぽ「じゃ、次はオイラの番だね」


☆レシピ 2



HERO「苦!」

のっぽ「苦!」

HERO「うわぁ…コーヒーと爽健美茶の苦味が相互補完されてる感じだなぁ…」

のっぽ「メロンソーダ消えてるね。
     アメリカンコーヒーが好きな人なら普通に飲めそうな気がしないでもない」


HERO「あーそうかも」

のっぽ「オイラはコーヒー嫌いだけど」

HERO「…じゃあ入れるなよ…。…しかしこの味、なーんか飲んだ記憶あると思ったら…」

のっぽ「何?」

HERO「昔、宴会でビールにワサビやら
     大根を刻んだヤツ(注:刺身によくついているアレのことね)やら
     シソの葉やらトリのから揚げの食い残しの骨やらしょう油やら入れて
     "黒ビール"とか言われて飲まされたときの味だ。
     大学の部活の打ち上げがあったら毎回必ずやらされて
     悪酔いしてたなぁ……(遠い目) 」


のっぽ「……苦労してるな…お前……」


<評価>
のっぽ 薄めて苦味だけ残した感じ
HERO なぜかアルコールの味



HERO「…ふう。あ、すいませーん、この皿下げちゃってくださいー」

のっぽ「早っ!もう食い終わったんかい!」

HERO「早食いは俺の特技…ってーかお前が遅すぎだ」

のっぽ「ほっとけ」

HERO「ってーかお前おかずだけ先に食って御飯だけを後で食うのはやめろって。行儀悪い。」

のっぽ「フランス人の食い方なんだ」

HERO「さて、次のを作るかな。やはりコーヒーの苦味は不味さに不可欠だねー」


☆レシピ 3



HERO「飲む前に、しっかりレモンの汁を絞っておこう。ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ…」

のっぽ「……これ甘味の要素ゼロなのね…」

HERO「ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ…」

のっぽ「…そんな一生懸命に絞らんでも…」

HERO「いやぁ、この方が不味くなるかなぁと思ってさ。ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ…」

のっぽ「…お前のそのくだらんことに命すら賭けかねない所が好きだ」

HERO「オマエモナー(2ちゃん風)。こんなもんだろ」

のっぽ「うい。いただきまーす。ぐび」

HERO「ぐび」

のっぽ「ぐああああああ!」

HERO「え」

のっぽ「うぉええええ、こっ、これはあかん!あきまへん!

HERO「そ、そうかなぁ?」

のっぽ「…っかはっ、ちょ、ちょっと待って…ごくごくごく(←水で口直し)」

HERO「うーん。ちょっとレモンを絞りすぎたかな…すっぱいのが勝っちゃって」

のっぽ「…ふう。死ぬかと思った」

HERO「そうか?単に苦すっぱいだけじゃない?」

のっぽ「多分、お前とオイラとではレモンの配合が違うのだ。こっち飲んでみろ」

HERO「どれどれ。ぐび。」

のっぽ「苦味を感じる直前って酸味があるものではあるが、
     レモンで増大させた酸味の直後に襲ってくるコーヒーの苦味は強烈だ」


HERO「……」

のっぽ「苦味が引き立つんだろうな。
     ……?おーい、HERO?HEROにーいーやー?」


HERO「うげぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

のっぽ「わははははははは」

HERO「こ、これは強烈だわ。確かに」

のっぽ「わははははははは」

HERO「笑いすぎじゃー!」


<評価>
のっぽ 殺す気か
HERO 配合が微妙



HERO「すいませーん、フライドポテト」

のっぽ「まだ食うんかい。オイラはまだライスを食い終わっていないと言うに」

HERO「俺の勝手だ」

のっぽ「んじゃ次オイラね。オイラは甘い方がいいなぁ」


☆レシピ 4



のっぽ「とりあえず見た目のひどさを追求してみました」

HERO「そうか?モスグリーンって感じできれいだと思うけど」

のっぽ「え。ドブの色が作れたーと思って喜んでたんだけど」

HERO「とりあえず飲んでみよう。ぐび」

のっぽ「ぐび」

HERO「!!」

のっぽ「!!」


<評価>
のっぽ ウマー
HERO ウマー



のっぽ「いやー今のは美味かった」

HERO「ちょっと甘ったるかったけど、美味かったな」

のっぽ「あれは売れるって。商品化できるって。大金持ちでウハウハやって」

HERO「それは無理。さて次は俺の番だな」


☆レシピ 5



のっぽ「またコーヒーとレモンかよ」

HERO「やっぱこの組み合わせは最強でしょ。まぁ飲んでみれ」

のっぽ「ぐび」

HERO「ぐび」

のっぽ「……………」

HERO「……………」

のっぽ「……………」

HERO「……………」

のっぽ「…言葉をなくすね」

HERO「…例えを思いつきません

のっぽ「うーん、ねぇ、あのさ、ただの炭酸水って飲んだことある?」

HERO「ただの炭酸水?って、酒に混ぜたりするやつ?」

のっぽ「うん。あれ、めちゃくちゃ苦いの」

HERO「知ってる」

のっぽ「お前も飲んだことあるんかい」

HERO「俺を見くびるな」

のっぽ「これさ、甘味・酸味・苦味がお互い打ち消しあって、その炭酸水の味がする」

HERO「あーうんそうだ、確かに最初は炭酸の味がする」

のっぽ「その後、いろんな味が戦うね」

HERO「よくわからん味になるな。甘かったり酸っぱかったり苦かったり」

のっぽ「そうそう、目まぐるしく味が変わる感じ。
     で最後はコーヒーの苦味が後を引く


HERO「…嫌な後味だな…」

のっぽ「…うん…」

HERO「ひょっとしてさぁ、秋子さんの謎ジャムってこんな味なのかな…
     "すごく独創的な味"って表現されてたでしょ。
     例えが思いつかないってのが共通するし。そう考えるとちょっと萌え♪


のっぽ「萌えるなよ」


<評価>
のっぽ 嫌な気分になる飲み物
HERO
秋子さんごめんなさい



のっぽ「というわけで次はオイラの番だね」


☆レシピ 6



HERO「…うーん」

のっぽ「…うーん」

HERO「微妙」

のっぽ「"ちょっと腐った爽健美茶"って感じだね」

HERO「ちょっと酸っぱいからな。それに苦味がプラス」

のっぽ「まぁ"不味っ!"って言うほどのもんじゃないね。ぐび」

HERO「そうだね。どうってことはないな。ぐび」

のっぽ「それにしてもなんで酸っぱいのかな。ぐび」

HERO「コーヒーとオレンジジュースが薄まって酸味だけが残ったのかな。ぐび」

のっぽ「ぐび」

HERO「ぐび」

のっぽ「ぐび」

HERO「ぐび」

のっぽ「…ぐび」

HERO「…ぐび」

のっぽ「……」

HERO「……」

のっぽ「…これ…飲みつづけているとだんだん気持ち悪くなってくるな…」

HERO「…うん…」


<評価>
のっぽ もう飲みたくない
HERO 後味悪い



HERO「せっかくだから、あのカップ物も使ってみよう」

のっぽ「おう。どんどんやれ。毒を食らわば皿までだ」

HERO「…嫌な例えだな」


☆レシピ 7



HERO「薄いキャラメル。以上

のっぽ「それだけかい!でも同意見ー」


<評価>
のっぽ 中途半端な甘さ
HERO 見た目は紅茶



HERO「そうだ。次はレシピ隠してやらないか」

のっぽ「おう。おっけー」

HERO「んじゃ俺トイレ行ってくるんで」

のっぽ「おっけー。作っとく」



HERO「ただいま」

のっぽ「はい、どーぞ☆」

HERO「んー。見た目はお茶っぽいな…なんかちょっと透き通ってるし」

のっぽ「これは、昔の体験を元に作ってみました」

HERO「どれどれ。ぐび」

のっぽ「オイラも。ぐび」

HERO「苦っ!」

のっぽ「うっわまずっ!」

HERO「何これ!?わけわからん!!

のっぽ「これはかなり予想外だねー。想像以上の出来映え!」

HERO「と、とりあえず爽健美茶は入ってるだろ?」

のっぽ「さぁどうかな。ちなみに、2種類しか混ぜていません」

HERO「2種類…うーん…。なんだ?これ…。炭酸は、あるよな…コーラ?」

のっぽ「うむ、いいところを突いている。はい、これが答え」


☆レシピ 8



HERO「何ー!!」

のっぽ「単純だけど意外に強烈でしょ」

HERO「うん、意外な味だ…」

のっぽ「ほら、昔気の抜けたコーラってまずかったでしょ。あの経験をもとに作ってみました」

HERO「うーむ」

のっぽ「酸味と苦味がなぜか強いね、これ…」


<評価>
のっぽ そもそも水がぬるくてまずかった説
HERO 苦まず。予想外。



HERO「次は俺の番か」

のっぽ「ねぇねぇ、これまでの経験を整理すると、
     コーヒー+レモンスライスが不味いことと
     水で薄めると不味いことがわかったわけでしょ」


HERO「あーまーそーだね」

のっぽ「んじゃ水とコーヒーとレモンスライス混ぜたら最強とか?」

HERO「それはいいかも。やってみよう」


☆レシピ 9



のっぽ「…これ、ただのアメリカンコーヒーなんじゃ…」

HERO「コーヒーにレモン。そのまんまな味だ」

のっぽ「オイラはコーヒー苦手だから、それなりに不味いけど」

HERO「ていうか、ここのコーヒー不味いぞ。茶で言えば出がらしを使ってる」

のっぽ「よくわかるなぁ」


<評価>
のっぽ ただのコーヒー
HERO ホントにコーヒー


HERO「……うわ」

のっぽ「どうした?」

HERO「これ……一気飲みするとすっごく後味が悪い…」

のっぽ「ああ…そうかもしれない」



HERO「なぁ…もう次で終わりにしない?」

のっぽ「えー!もう?」

HERO「なんかすっごく凹んできた」


☆レシピ 10



のっぽ「水シリーズ第2弾」

HERO「…んー、なんだかメロンそのまんまな気が」

のっぽ「予想以上にメロンソーダが強かったね」

HERO「かすかにオロナミンCっぽいのはなぜだ」

のっぽ「なぜだ」


<評価>
のっぽ それほどまずくはない
HERO 見た目は池の水



HERO「もうこのターンで終わりにしよう」

のっぽ「んー、そだね。オイラもそろそろお腹たぽたぽだし。じゃまずHEROから」


☆レシピ 11



HERO「うーん、もう一度コーヒーとレモンを試したんだけど、それほどでもないなぁ」

のっぽ「うん、酸味と苦味が同時に来て"あー不味い"ってちょっと思うだけだね」

HERO「うーん、失敗か」

のっぽ「そだねー………………うぐっ!?

HERO「どうした?」

のっぽ「…い、いやこれ、普通に飲むとなんてことないけど、
     口の中でしばらくおいといてみ」


HERO「ほほう。どれどれ」

のっぽ「酸味と苦味のギャップがどんどん大きくなってめちゃくちゃ嫌な味になる」

HERO「……?」

のっぽ「……ならん?」

HERO「…ならん」

のっぽ「えぇー。なったのにぃ。あれか。また例のレモンの配合度合いか」

HERO「かもね」

のっぽ「しかし、苦味と酸味が一緒になるとなんでこんなに不味いんだろうね」

HERO「あ、そういえば聞いたことがある」

のっぽ「何?」

HERO「"すっぱい"っていうのはつまり"酸"だろ」

のっぽ「うん。そうだねぇ」

HERO「"苦い"っていうのは実はアルカリなのだ」

のっぽ「おおそういえば。確かに、水酸化ナトリウムとか苦いって言うねえ」

HERO「"すっぱい"と"苦い"ってのはおそらく正反対の味覚なんじゃないかな。
    例えば、クーラーが寒いくらい効いてる部屋から急に暑い屋外に行くと
    余計暑く感じるじゃない。それと似たような感じで
    "すっぱい"味覚から急に"苦い"味覚に変わると、余計苦く感じるわけだ。
    そのおかげで凶悪な味が完成されるというわけじゃないかな」


のっぽ「うむ、その説は非常に説得力があると思うぞ」


<評価>
のっぽ レモン次第
HERO 理科の授業



HERO「じゃ、最後のトリは頼んだ」

のっぽ「おっけー!これまでと方向性の違う不味さに挑戦してやるぜ!」


☆レシピ 12



HERO「待て待て待て待て!」

のっぽ「何か?」

HERO「レシピ見ただけで、めちゃくちゃ甘そうなんですけど」

のっぽ「うむ。究極の甘さを追及してみた」

HERO「してみたじゃねぇー!それに、出来あがり品を見てみー!」


出来あがり品。コップの前方にあるのはカップものの残骸。


のっぽ「どぶ色」

HERO「それどころか、ミルクが何かと化学反応を起こして表面で固まってるわ!!

のっぽ「おお。すげえ」

HERO「すげえじゃねぇぇぇー!」

のっぽ「いやはや、しかし今回の中で、多分一番見た目がひどいよねこれ」

HERO「味も大体想像つくし…飲みたくねぇぇー」

のっぽ「はい半分こ☆」

HERO「鬼か貴様」

のっぽ「ではでは、ラストです。かんぱーい」

HERO「…ぐび」

のっぽ「ぐび」

HERO「…っくぅわ甘っ!!」

のっぽ「甘っ!激甘!」

HERO「最初がメロンソーダで、最後がチョコレート味…嫌だなぁこれ…」

のっぽ「常に甘いよね。後味は糖分しか残らないし」

HERO「絶対歯に悪いぞコレ…見た目も汚らしいし」

のっぽ「ストローでかき混ぜても、一向に混ざらないねぇー」

HERO「完全にダマになってるな…」

のっぽ「…あ、なんかこのミルクの塊をこうやってかき混ぜてるとアレを思い出す」

HERO「アレ?」


<評価>
のっぽ ねるねるねるね
HERO 甘い!嫌!



のっぽ「お疲れ様でした」

HERO「…お疲れ様でした」

のっぽ「今までの評価を見てて思ったけど、
     HEROって酒飲みだからその分 "苦さ" には耐性があるけど "甘さ" には弱いよねぇ。
     で、オイラはそのまったく逆。酒を飲むようになると味覚って変わるんだね。」


HERO「あえて今知りたくもねぇよ」

のっぽ「ところで、お腹大丈夫?」

HERO「…うーん、なんか気持ち悪い」

のっぽ「オイラも…これはなんだろうね。
     飲みすぎたのが悪かったのか、飲んだものが悪かったのか


HERO「…両方だろう…」

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