ショートコント:ふしぎちゃんとなぞなぞ
(2007/03/20作)
「れーじくんれーじくん、今ちょっといいかなぁ?」
「え。うーん、宿題やらないといけないんだけど…まぁ少しならいいよ。何?」
「あのね、大学のレポート作るために、ちょっとアンケートに協力して欲しいんだ」
「ああ、そういうことなら喜んで。いいよ」
「わぁ、ありがとう。れーじくんは優しいから好きー」
「あはは」
「プリングルスと同じくらい好きー」
「その比較基準は何」
「えっと、では行きます。第一問」
「はい」
「誰が誰だかわからない国は?」
「は?」
「誰が誰だかわからない国は?」
「え。いや。何それ」
「かっちっかっちっ。ぶぶー。タイムオーバーです」
「時間制限があるんだ」
「答えは、ドイツ。どいつ?なんちて」
「なぞなぞじゃん! アンケートじゃなかったの!?」
「第二問」
「聞く耳持ってよ」
「学校から10m離れたところにある家は誰の家?」
「10m? んー…」
「かっちっかっちっ」
「あ、わかった。先生の家だ」
「その心は」
「1000センチ。先生んち」
「ぴんぽーん! 正解ー! さすがれーじくん!」
「いや、それほどでも…」
「では第三問。転んだ人が『ちつと』と言いました。どういう意味でしょう?」
「立てない」
「ぴんぽーん! すごい、即答じゃん!」
「まぁ、そのままだったし」
「第四問。三歩進んで二歩下がるを繰り返す場合、十歩先のゴールに辿り着く時には合計何歩歩いてる?」
「下がるのも一歩って数えるの?」
「うん」
「じゃあ…38歩だね」
「早っ! 計算早っ」
「三歩進んで二歩下がると五歩歩いてやっと一歩分進むわけでしょ。すると、七歩分進んだ状態で計35歩」
「ふむふむ」
「で、そこから三歩進んだら十歩分進んだことになるので、その場でゴール。合計38歩」
「すごい。天才」
「そんな大層なもんでもないよ」
「第五問。世界中の人が乗った船が沈没しかけています。最初に『助けて!』と叫んだのはどこの国の人?」
「日本人。『助けて』は日本語だから」
「おおおお。正解続きだよ。留まるところを知らないよ。破竹の勢いだよ」
「大袈裟だなぁ」
「第六問。『嘘つき世界一決定戦』が行われるというニュースを聞いて世界中の嘘つき自慢が集まりました」
「その嘘ニュースを流した人が優勝」
「まだ問題言ってないよ!」
「いや、それは知ってたから…」
「すごすぎるよ。んと、じゃ第七問」
「うん」
「四季が秋夏春冬の順で、しかも正月が秋と夏の間にある所はどこでしょう?」
「えーと。あ、辞書か」
「正解! 第八問。絶対朝に食べられない物はなーんだ」
「昼食とか夕食とか」
「正解だよー! すごいよー! 最初を除いてパーフェクトだよ」
「最初のはなぞなぞとは思ってなかったしな…」
「第九問。12人でかけっこの競走をしました。五位の人を抜かすと、今何位?」
「五位だね」
「くぅっ! 引っかからなかったか!」
「何がしたいの…」
「第十問! 太郎君が風邪で病院に行くことにしました」
「はい」
「その道の途中に牧場があり、牛がモーと鳴いていました」
「はぁ」
「さらに進むとお花畑があり、チョウがひらひらと飛んでいました」
「うん」
「さて、太郎君は何の病気なのでしょう?」
「風邪でしょ」
「すごい! よく覚えてた!」
「いや、めちゃくちゃベタな問題だったし…」
「じゃ第十一問。あるなしクイズだよ。『日光』はあるけど『月光』はない。『信者』はあるけど『教祖』はない」
「…あのさ、ふしぎちゃん」
「『重力』はあるけど『引力』はない。『九日』はあるけど『十日』はない」
「ふしぎちゃんってば」
「『ハム』はあるけど『ソーセージ』はない。『更生』はあるけど…」
「ふしぎちゃんっ」
「え、何」
「あのさ。あと何問あるの? 僕も宿題やらなきゃいけないんだけど。っていうかそれ何のレポート?」
「えっとね、『忙しい時にくだらないことで邪魔された人がいつ怒り始めるか』っていう実験レポート」
「ふしぎちゃん、殴ってもいいかな?」
「わ。怒った。よし、結果は十一問目だ」