雪が降っていた。
思い出の中を、真っ白い結晶が埋め尽くしていた。
数年ぶりに訪れた白く霞む街で、
今も振り続ける雪の中で、
俺はひとりの少女と出会った。

----"Kanon"導入部より抜粋

エロゲーの世界に旋風を巻き起こした「Kanon」。
数多のゲーマーの理性と涙腺を破壊させ、エロゲーの、否、ゲームの常識を塗り替えたとさえ言われる伝説のゲーム。
「エロいらんやん」というツッコミを受け、全年齢版、ドリキャス移植、CDドラマと快進撃を飛ばしているこのゲーム、プレイした人の感想を聞いてみると…

「100点満点」
「ここまで来ると"芸術"」
「これで泣けない奴は人間性を疑われてもしょうがない」
「さゆりん命」
「そんなこと言う人嫌いです」
「買えないっ、買わないっ、買えるかっ！」
「企業秘密です」
「…はちみつクマさん」
「けろぴーはここ」
「うぐぅ」

と、皆さんおのれルパンめまんまと盗んで行きおっていいえあの方は何も盗らなかったわ私のことを助けてくれたんですいやヤツはとんでもないものを盗んで行きましたあなたの心ですチックに心を奪われております。

そんな「Kanon」がとうとうテレビアニメ化。
関東地方では二週間ほど前から放送がスタートしているようですが、関西は2月12日26時45分スタートです。
つーかややこしいってば。26時って。13日AM2時のことでしょ？
業界換算の時間計算法なんか使わないでほしい。

おっと話が逸れました。KanonですKanon。

昨日は忘れまいとして、仕事場で放映時間の詳細を調べてメールで自分宛てに送信。
自宅でメールチェックしたらそれで思い出すという仕掛けを実行したのです。
帰宅するや否や満を持してメールチェック。
この段階で全くKanonのことを忘れてなんかいないのですが、まぁそれはそれ。

と、一緒にお友達のちょこらくんからメールが。

あんたは名雪の目覚し時計かと思わずツッコミを入れてしまいました。
いい友達を持って幸せです。ていうかメールの内容を無断転載してゴメンヨー。

しかし平日の午前三時過ぎまで爛々と起きているなど、会社員たるオイラにとっては致命的な行為。
翌日がスイマーとの戦いになってしまいます。
まーどっちにしろ結局スイマーと戦う羽目になるんですが、それはそれ。

とにかくリアルタイムで見るわけにはいかないのでビデオでタイマー録画を敢行しました。
てかビデオの録画機能を使うこと自体久々です。
てか最近テレビすらまともに見てないし。

新聞のテレビ欄でKanon放送時間を改めてチェック。えーと…



深夜枠の番組名が軒並み意味不明な中で、ちゃんとタイトルが省略されずに載っています。
さすがKanon。

という手順を踏んで、昨日のうちに録画したものを今日になってようやっと見ることができました。


以下感想。


ていうかいきなりLast Regretがちゃんとかかっているではないですか！
すばらし。わかってるなぁ。

そして伏線張りまくりの導入部。
わかっている人間なら思わずニヤソ(←Kanoso)としてしまいます。いきなり病院来ましたか。
他の主要メンバーも顔だけは総登場。

そして提供。Animate一社っていうのはあまりにすごすぎ。
流れてくるCMもほんとにそっち系ですね。いや「みずいろドリキャスで発売」とか言われても。

で、いよいよ本編に入るわけですが、内容は本当にゲームに沿っていていい感じです。
どこかでも言われていましたが、最初の祐一と名雪のやりとりで「花子」「違う」「次郎」「わたし女の子」が端折られたのはちと残念でしたけど。

あとけちょんけちょんに言われがちな絵のほうですが、あれはアリでしょ。
というより、むしろ絵に難があるのはゲームの方だと思います。
いや、悪いって言うんじゃなくて、アニメ向きのバランスじゃないってこと。
ゲームの中で立ち絵等でポーズが決まっているときは違和感も少なかったでしょうが、動くとやっぱり無理が出る絵だったと思います。

で、アニメの絵のほうですが、まだそれをうまくカバーできてるんじゃないかと。
ゲームの絵とアニメ特有の画質の真中で一生懸命バランスとっている感じです。
だって、ギャグシーンでアニメ顔に崩れた瞬間なんてほんとに絶品だと思いましたもの。
あのレベルを話の最後まで貫いてくれれば文句ナシです。

あとは…個人的にはたい焼き屋さんの顔が見れたのも嬉しかったかな。


そういうわけで、久々に楽しませてもらいました。
いいじゃん！イケてるじゃん！満足満足！

んでしばらくぼーっとエンディングを眺めていますと、エンディングの後に定番のワンカット。
たいていのアニメでは、物語の顔となる主人公やヒロインが満面の笑みをたたえて手を振っているカットを使い、その週のラストを飾るのですが、Kanonは…



たい焼きかよ！

しかも湯気がやたらリアル。

今日は全国的にお菓子屋さんの陰謀で世間が茶色に染め尽くされる日。
愛する人にカロリーの塊を贈り贈られるカップルが蔓延していたんでしょうね、ケッ。

わかっていましたさ。
オイラにゃ無縁な世界です。
てか日常で接する人間に女性が皆無という状況は致命的。
かろうじて職場の食堂のおばちゃんがいますが、おばちゃんの配ってくれたチョコを残業突入時に口にした瞬間の侘しさと言ったらもう。

まぁ予想はしてたんでそれほどガッカリとかゲンナリとかないです。
帰宅途中に売店で腹ごしらえに買ったものがチョコレートでしたけど深い意味はないです。ええ、ないですとも。ないったらないんですよもーうるさいなっ！

それはともかくとして残業続きっつーのが問題です。
お仕事がいろいろ問題アリアリになってしまってなかなか。
そりゃもうカロリー蓄えて気力で乗り切るしかないですよ。

ねぇ！カロリー要りますよねぇ！
ねぇ！カロリー高い食べ物取っとかなきゃいけないですよねぇ！
ねぇ！カロリー高い食べ物といえば…ねぇ！


…いや結局自分で買うんだけどさ。

オイラのお仕事はほぼ丸一日パソコンをカチャカチャいじったりします。
すると職業病とでも言いますか、眼精疲労肩こり腰痛腱鞘炎ネット中毒(←最後のは趣味)などに蝕まれることがあります。
そういう困ったちゃんな病気を予防するため、年に一回検診を受けたりします。
その名をVDT検診といいます。

今日はそのVDT検診の日でした。
普通オイラのように出向している身では、こういうイベントは夕方に予約を入れるものと相場が決まっています。そのまま直帰できるからです。要するにお仕事サボれるからです。

で、オイラは検診会場である自社に訪れました。朝イチに。
…はいはい、夕方は競争率高いんですよね。ケッ。

さてそんなわけで5分前に会場入り。
てか普段より早起きしなくちゃいけないってどうよ。
寝ぼけ眼で視力検査やれというのですか。
これは罠だ！陰謀だ！謝罪と弁償を！←某国かよ

というわけで早速VDT検診開始。
まずは視力検査からです。
たいそうな機械の中を覗きこむと、定番の「C」の向きを問うアレが。

係の人「はい、5番はどちらですか？」
オイラ「えーと、右です」
係の人「7番」
オイラ「上…です」
係の人「それでは10番」
オイラ「左…かな」
係の人「11番」
オイラ「うーんと…右」
係の人「12番はどうですかー？」
オイラ「点です」

ところが視力検査はこれだけにとどまらない。
「放射状に広がった線の中で一番太いのはどれか」とか。
「バスのどこに人が座っているように見えるか」とか。
「5つの絵のうちどれが一番手前に見えるか」とか。
3Dステレオグラムを応用したような検査が目白押しです。3Dステレオグラムの方が応用だと思うけど。

しつこいくらいの視力検査の次は別のテーブルに移って握力測定なんですが、なぜ握力を測定せねばならないのかは未だに謎です。
パソコン使っていると握力落ちるのか。マウスを持つ手が震えて来たりするのでしょうか。

そしてまた視力検査と同じような機械を覗きこみます。
今度は遠近のテストらしく、「あ」と書かれたプレートがだんだん迫ってくるものです。
「あ」がぼやけて読み取れなくなったらボタンを押すというルール。
…書かれている文字が分かっているので、「読み取れなくなる」判断に困ります。

続いてまた隣のブースに。
そこに置いてある機械を見た瞬間、潜在意識的な嫌悪感が。

その名は眼圧検査。

穴の奥に光る点を見つめさせられ、一瞬の隙を突いて眼球に空気をブシュッと吹き付けられます。
痛いっつーの！痛いに決まってるっつーの！
そもそも、この検査はただの攻撃にしか思えません。
何をどうやって検査しているのかまったくの謎です。誰か知っている人がいたら教えてください。

そしてついに、このVDTのメインイベントの登場です。

直方体の箱に3つのボタンがついています。
これに自分の利き腕の指三本をあてがい、1分間連打するのです。
結果は当然その回数が計測値として記入されます。

これが燃えずにいられようか。
ファミコン世代のオイラとしては、高橋名人ばりに連打に情熱を注ぎ込むのです。
「ハイパーオリンピック」の熱き魂よ！
「さんまの名探偵」のボートレースの青春よ！
「チャイルズクエスト」の水泳大会の思い出よ！
オラにリキを分けてくれ！うらァッ！

結果は330回でした。秒速5.5回ですか。
去年は勝手がわからずに200回台だったはずから、まぁ進歩かな。

最後にお医者のおじさんによる触診でシメ。
一応貞操は守りました。



と朝っぱらから疲れることをやって、夜は夜で残業。
日記を書き終わった今など既に2時過ぎてます。ぬっはー。

そんなオイラの目の前には、チョコが入っている袋が。
実は一日遅れのバレンタインをもらいましたのです。


ばーちゃんからな(涙)